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「今年の家計がどうなるのか?まずは1月20日に行われるトランプ氏の大統領就任演説に注目です。保護貿易に舵を切り、輸入品に高い関税をかけるようになれば、アメリカへの輸出が厳しくなり、日本経済は大打撃を受けます。企業の業績が軒並み悪化し、家計に大きな影を落とすことになるでしょう」

 

そう語るのは第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣さん。混沌とする世界情勢と、加速する少子高齢化問題などの影響が、さまざまなものの“値上げ”という形で、私たちの家計を圧迫しそうな’17年−−。そんな、’17年下半期に起こる“値上げ”をファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さん、生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんに予測してもらった。

 

【8月】高額療養費制度の上限額がアップ!

 

「70歳以上で、年収370万未満の住民税が課税されている人はこれまで、1カ月の医療費が外来と入院を合わせて4万4,400円を超えたぶんが補助されていましたが、この上限額が5万7,600円に引き上げられます。また、外来のみの場合は1万2,000円が上限額でしたが、こちらも1万4,000円に」(風呂内さん)

 

【9月】鶏肉の価格が高騰!

 

「とうもろこしや大豆粕の価格上昇と円安により、今年1〜3月期の配合飼料価格は前期に比べ値上げとなる見通しです。値上がりした配合飼料で育てられた鶏が出荷されるのが9月くらいになると見ています」(柏木さん)

 

【9月】国民年金の保険料がアップ!

 

「現在の1万6,260円から、だいたい数百円程度の値上げが予測されます。値上げ額は4月に確定し、9月から新料金を支払うことに。公的年金に関しては、今後も減額されたり、受給開始年齢が繰り下げられたりする可能性はありますが、現在のところ、生涯年収の年平均の半分くらいもらえると想定しておくといいでしょう」(風呂内さん)

 

“値上げラッシュ”が予想される’17年。防衛策として思いつくのが買い控えだが、前出の永濱さんは「値上げラッシュだからといって、みんなが買い控えをすると消費が落ち込み、経済が負のスパイラルに陥るので注意が必要です」と話している。

 

“値上げ”のリスクがあることを頭の片隅に置きながら、賢くお金を使うことが、今年は大切なのかもしれない。

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