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’18年は、税や社会保険などの負担がさらに増す予定。あまりの負担増に、お先真っ暗な気分の人も多いのではないだろうか。実は、’19年以降にもすでに、いくつかの負担増が決まっている。’18年より大きな影響も与えるものもある。そこで、経済ジャーナリストの荻原博子さんといっしょに、それらを整理していこう。

 

「いちばん影響が大きいのは、’19年10月に予定される、消費税10%への引き上げです。’17年8月に安倍首相は『予定どおり、消費税増税を行う』と述べていますが、今後の経済状況を踏まえて、’18年中に判断すると思います。もし増税することになったら、家計的には相当厳しいといわざるをえません。なぜなら、給料がそれほど上がっていないからです。また消費税は、高所得者より低所得者にとって厳しい税金です。低所得者でも必ず支出する品目は、高所得者と大きく変わりません。収入が少ないほど負担率が高くなり、打撃が大きいのです」(荻原さん・以下同)

 

新しい税金も検討されている。

 

「1つ目は、国外に出る際にかかる『出国税』。名称は『国際観光旅客税』に変更することを検討中です。出国するたびに、1人1,000円徴収する予定です。観光資源の整備などに使うため、国は’19年1月からの実施を目指しています。2つ目は、『森林環境税』。個人住民税に上乗せする形で、年に1,000円を徴収する計画です。言葉どおり、森林環境の整備に使われます。ただ、同様の税金をすでに実施している市町村などもあるため、二重課税問題をどうクリアするのか、今後に注目しましょう」

 

また、次のような所得税改革が’20年から実施される見込みだ。

 

「まず、働く方全員が受けられる『基礎控除』を今の38万円から48万円に増やします。そのうえで、会社員の経費とされる『給与所得控除』を一律10万円減らします。また、給与所得控除の上限を、現在の年収1,000万円以上で最高200万円の控除から、引き上げる予定です。具体的には、年収850万円以上で最高195万円とする案が有力です」

 

さらに、年金収入の多い高齢者などの公的年金等控除も引き上げる。この結果、負担の増減は次のようになる。

 

【年収850万円以上の会社員・公務員】

子育て・介護なし:増税

子育て・介護あり:変わらず

 

【自営業者】

所得2,400万円未満:減税

所得2,400万円以上:増税

 

「高齢者については、年金収入1,000万円超の方と、年金収入が1,000万円以下でも年金以外の収入が1,000万円超の方は、増税となります。この所得税改革で、900億円の増税が見込まれるといいます。高所得者といっても、血税ですから、どんな使い方をするのか、今後も政府の動きに目を光らせましょう」

経済ジャーナリスト
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