もしかして、定期預金を放置していませんか? 超低金利時代にそれは「もったいない」の極致。高リスクの投資でなくても“価値を上げる”方法はあるのです。仮に100万円があったとしたらーー。
「現在、空前の低金利です。一昔前の金融商品のように、複利計算で年利3%あれば、お金を預けただけで、24年後には倍に増えていました。ところが今の普通預金の金利は、わずか0.001%です。預けたお金が倍に増えるまでに、なんと7万2000年もかかってしまいます。たとえ100万円というまとまったお金を預けても、1年の利息はわずか10円。“これでは預けても意味がない”と、タンス預金にする人も多いでしょう。しかし、お金は手元に置くだけでは“成長”しません。工夫が必要なのです」
そう力説するのは、『図解でわかる! 投資信託』(秀和システム)など多数の著書がある、ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんだ。生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんは、このようにアドバイスする。
「お金は、預け場所を変更するだけ、まとめて払うだけで、得するケースが多い。今は元本割れをしない金融商品や投資といっても、安全に運用できる投資信託商品もありますので、まずはそういった情報を得ることが大事です」
そこで今回、手元に“100万円のへそくり”があると仮定して、柏木さんに実利重視で考えたその「お金の生かし方」を解説してもらった。
「お金の使い道を限定することで、得する積み立てがあります。有名なのは、旅行会社や航空会社が行っている旅行積み立てです。航空運賃だったり、宿泊ホテルなど、旅行関連にしか使用できませんが、その代わり非常に高い利率です」(柏木さん・以下同)
柏木さんがお勧めするのは、旅行会社H.I.S.の旅行券だ。
「たとえば89万円を一括払いすれば、5年後に100万円になって戻ってきます。たった5年寝かせるだけで、約11万円も得をするのは、銀行の利率では考えられません」
もちろん、毎月コツコツ積み立てることもできる。
「月々1万5,784円を5年(60回)積み立てた場合、総支払額が94万7,040円なのに、100万円になって戻ってきます(約5万3,000円も得)」
また、お金の使い道を旅行という目的だけでなく、行き先をハワイに限定できる人なら、ANAの旅行積み立ても選択肢だという。
「ANAの場合、通常の旅行積み立てが年利が3%と高いですが、行き先をハワイに限定すると3.8%になります。96万3,392円預ければ、1年後に100万円のハワイ限定旅行券がもらえる計算です」
最近は親の介護などで、年に数回、実家に帰るために飛行機に乗るという人も。
「そういった事情で頻繁に国内を移動される方が、旅行積み立てをするのも選択肢の1つだと思います」
お中元やお歳暮などで、必ず百貨店を利用するという人に、ぜひ検討してほしいのが“百貨店友の会”。
「多くの百貨店で『◯◯友の会』が用意されています。おおむね、どこも同じシステム。毎月一定額を1年(12回)積み立てることで1カ月分のボーナスが上乗せされます。たとえば1万円の場合、1年で13万円の商品券等になって戻ってくるというものです」