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確定申告は、自営業などの人が、前年の所得を申告し税額を確定させる手続きで、今年は2月18日から3月15日まで。そんな確定申告が、今年からスマホでできるようになるという。経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれた――。

 

【払いすぎた税金はスマホからの確定申告で取り戻せます】

 

もうすぐ確定申告が始まります。会社員でも、医療費を多く使ったり、ふるさと納税などの寄付をたくさんした方などは、申告すると払いすぎた税金が戻ってきます。

 

ただ「申告書を書くのは面倒だ」という方もいました。そんな方に朗報です。今年から、スマホで確定申告ができるようになります。スマホ専用の作成ページに入力すればよいので簡単です。

 

スマホでの確定申告ができる方は、まだ限定的です。副業などのない会社員で、年末調整済みの方。かつ、会社からの給料以外に収入がない方の、医療費や寄付金の控除申告を行う際に限られます。

 

また昨年までは、インターネットで申告書を送る「e-Tax」を利用するには、マイナンバーカードとそれを読み取るカードリーダーが必要でした。これらがない場合は、作った申告書を印刷して税務署に持参するか、郵送しなければなりませんでした。

 

今年からは、マイナンバーカードの代わりに、税務署が発行するIDとパスワードがあれば、e-Taxが利用できます。スマホで作った申告書は、印刷する必要もなく、3,000円程度といわれるカードリーダーを買うこともなく、そのまま税務署にインターネットで送ることができます。

 

IDとパスワードは、事前に本人が税務署に行き、身分証明を示せば交付されます。これさえあれば、あとは自宅作業なので、今年は控除の申告をしてみませんか。

 

税金控除の申告でもっとも多いのは、医療費控除です。’17年からセルフメディケーション税制も加わり、該当する方が増えています。

 

医療費は、家族が病院で払った治療費や薬局で買った市販薬代などを合算し、年間で10万円を超えた分を控除できます。

 

セルフメディケーション税制は、病院で処方される薬から市販薬に切り替えられた「スイッチOTC医薬品」だけを合算し、年間1万2,000円を超えた分が控除できます。

 

ここでいう家族は、「生計が同じ」が条件です。単身赴任中の夫や下宿している子どもなども、同じ家計で暮らす家族。また、離れて住む親に仕送りをしていれば、親も同じ家計、家族とみなされます。

 

医療費の控除を受ける際は、離れて暮らす家族の分も忘れずに、レシートを集めてください。

 

ただし、医療費控除とセルフメディケーション税制は、どちらか一方しか利用できません。迷う場合は、税理士に相談してください。

 

また、去年は災害が非常に多い年でした。被災した方は、被害額を申告することで税金を減らすことができます。控除の方法は、雑損控除か災害減免法による控除の2通りから得なほうを選べます。とはいえ、専門家でないと判断が難しいので、税理士にご相談を。

 

税金の払いすぎは、家計のムダ遣いです。きちんと申告して取り戻し、税金は正しく納めましょう。

経済ジャーナリスト

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