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自民党・三ツ矢憲生氏(68)が7月12日、三重選挙区から立候補している吉川有美氏(45)の応援演説で「1番大きな功績は子どもをつくったこと」と持論を展開。女性候補の「1番の功績」を出産としたことについて、ネットでは非難の声が上がっている。

 

自民党の三重県連会長である三ツ矢氏。同県について「南海トラフで大変な被害が出ると予想されている地域」「その手当をきちんとやれるのは誰か、しっかりとお考えいただきたいと思う次第でございます」と話したあと、吉川氏に言及し「6年前、本当に久しぶりに三重県で参院の議席を奪還できた」とコメント。そしてこう話した。

 

「この6年間で吉川有美は何をしてきたのか。一番大きな功績はですね、子どもをつくったこと」

 

続けて「人口が増えるってのもありますが」と話し、「本人はやっぱり子供をもって、母親になって、自分の子供の寝顔を見ながら、この子のためにいい国にしていきたい、いい地域にしていきたい。そういう思いが芽生えてきた」とコメント。そして「私はそういう思いが政治の原点ではないかなと思っております」「そういう意味で、どうかこの一皮向けた吉川をぜひご支援賜りたいと思います」と語った。

 

13年に初当選した吉川氏。三重県初の女性参院議員となり、翌年には長女を出産。これまで災害対策やインフラ整備、経済や産業、農林水産業の振興などに取り組んできた。そんな吉川氏を紹介する際、「1番の功績は出産」と語った三ツ矢氏。Twitterでは「失礼だ」「男性にも言えるのか?」と非難の声が上がっている。

 

《男性に置き換ると、一番の功績は子供作ったことっていわれて、今までの俺の仕事なんだったんだ…ってなりません?》

《「この人の最大の功績は父親になったことです!」って応援演説みたいなので言われたら、その人の政治家としての意欲や能力を評価していないみたいで、私は男性も不快だろうと思うんですけど》

《ビジネスの場でも女性として母親としての評価しかされないって地獄よ》

 

そもそも出産とは、プライベートな領域のもの。そのため《何故、政治家としての実績ではなく、出産というプライベートなことが「1番の功績」とされるのか》《仕事の評価をするときに、プライベートの子供を生んだことが最大の功績ですとやるのはやっぱ変》といった声や、杉田水脈氏(52)の「生産性」発言にちなんで《産む産まないを「功績」「生産性」で計るな》《人間の価値を「生産性」のみの観点から語ろうとする姿勢は、国家主義的だ》といった声も上がっている。

 

過去にも自民党議員の出産に関する失言はあとを絶たない。03年6月に森喜朗氏(81)が「子供を1人も作らない女性が、年をとって税金で面倒をみなさいというのは本当におかしい」とコメント。07年1月には柳沢伯夫氏(83)の「女性は産む機械」発言が波紋をよんだ。近年も18年6月の二階俊博氏(80)による「子供を産まないのは勝手」発言が批判を集めていた。

 

また今年2月にも麻生太郎氏(78)が少子高齢化について「いかにも年寄りが悪いという変な野郎がいっぱいいるけど、間違っていますよ。子どもを産まなかったほうが問題なんだから」と持論を展開し、波紋を呼んだ。のちに麻生氏は衆議院・予算委員会で笑いながら「誤解を与えたとすれば撤回させてもらう」と答弁したため、立憲民主党・大串博志氏(53)から厳しく注意を受けている。

 

そういったことを踏まえて自民党は5月、失言防止マニュアルを配布していた。「『失言』や『誤解』を防ぐには」と銘打たれているが、しかしそこには「発言は『切り取られる』ことを意識する」「タイトルに使われやすい『強めのワード』に注意」などの文言が。あくまでマスコミ対策に始終している。

 

そして今回の「1番の功績は出産」発言。Twitterでは《失言防止マニュアルなんか作っても無駄なわけです。「お国のために子どもを作ることは功績」というのは彼らからすれば常識なわけですから》《こういった思想を持っている議員は失言じゃなくて本音だから、“失言”はなくならない》と呆れる声が上がっている。

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