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安倍晋三首相(65)が、多数の後援会関係者を「桜を見る会」に招待して私物化していた問題。連日続く野党とマスコミの追及によって、これまでの安倍首相の答弁に虚偽があったのではないかとの疑惑がもたれている。11月20日、これらの疑惑に応えるために、安倍首相は参議院本会議で答弁を行ったが、どうやら逆効果だったようで……。

 

【1】「推薦はしたけど、決めていない」

 

「私は主催者として、あいさつや招待者の接遇(せつぐう)は行うのではありますが、招待者の取りまとめ等には関与していないわけであります」

 

安倍首相がそう明言したのは11月8日の参議員予算委員会でのこと。“功績や功労のあった方々を、各省庁からの意見を踏まえて、内閣官房と内閣府で最終的に取りまとめて招待する”というのが政府の公式見解だった。しかし、800人を超える安倍首相の後援会関係者が「桜を見る会」に参加していたことが発覚。言い逃れができないと考えたのか、11月20日の参議員本会議において、安倍首相は下記のように話したのだ。

 

「私の事務所が内閣官房からの推薦依頼を受け、幅広く参加希望者を募ってきたと承知しており、私自身も事務所から相談を受ければ、推薦者について意見を言うこともありました」

 

これまでの発言から一転、招待者の選定に自分が関与していたことを認めた。さらに、この日、安倍首相に1,000人程度の推薦枠が設けられていたことも菅義偉官房長官(70)が明らかにしている。

 

普通に考えれば、11月8日の「関与していない」答弁は虚偽だったということになるのだが、安倍首相は「内閣官房および内閣府における最終的な取りまとめプロセスには関与していない」ことを強調。要は、自分は参加者を“推薦”はしたけれど、“招待”したのは「内閣官房および内閣府」という論理だ。しかし、内閣官房および内閣府は“内閣”総理大臣の推薦を拒否できるような立場にはなく、詭弁との誹りは免れないだろう。

 

【2】「ホテルの手違いで会場が取れなかった」

 

「参加者1人5,000円という会費については、これはまさに大多数が当該ホテルの宿泊者であるという事情等を踏まえ、ホテル側が設定した価格である、との報告を受けております」

 

11月15日、総理大臣官邸で行った会見でこう語った安倍首相。「桜を見る会」前夜に都内の高級ホテルで「前夜祭」を行うことを恒例としていたが、1人5,000円という会費が安すぎるのではないかとの指摘を受けていた。4回の「前夜祭」を行なったホテルニューオータニ(東京都千代田区)の宴会料金は11,000円~。仮に、実際にかかった費用と会費の差額を安倍首相が補填していた場合、公職選挙法違反となる可能性が高い。

 

安倍首相は「宴会の参加者の多くがそのまま泊まるので、ホテルが宴会代を安くしてくれた」と、会費5,000円の妥当性を主張していたのだが……。’15年の「前夜祭」はニューオータニが会場だったにも関わらず、地元から募ったツアーの宿泊先にニューオータニが含まれていないことが発覚。これまでの説明が崩れることに。すると、11月20日の参議員本会議において安倍首相はこう言い放ったのだった。

 

「夕食会場であり、かつ多くの参加者が宿泊することが予定されていたホテルにおいて、事務的な手違いにより、夕食会場が確保できないことが判明し、急きょ別のホテルに夕食会場を変更したとの事情があったと聞いております」

 

その結果、「多くの参加者が泊まったホテル」と「『前夜祭』を行ったホテル」が別になってしまったという。数百人規模の宴会の会場を手配し損なうなど、にわかには信じがたい“手違い”なのだが、さらに驚くべきは急きょ会場となったニューオータニ側の対応だ。

 

「ホテル側と相談を行った結果、提供するサービスの内容や参加者の規模等を勘案し、1人あたり5,000円という価格設定になった」

 

多くの参加者は別のホテルに泊まっているにもかかわらず、ニューオータニは5,000円の会費を提示したというのだ。会見での“いっぱい泊まるから安くなった”発言はなんだったのか。

 

発言をコロコロと変える安倍首相。これ以上、答弁の内容が修正されることはないとは願いたいのだが……。

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