安倍晋三首相(65)が4月12日、星野源(39)の歌う「うちで踊ろう」に動画を合わせて投稿した。しかし、非難の声が絶えない。
同日、Twitterに安倍首相は動画をアップした。それは「うちで踊ろう」を歌う星野の横で、首相自身が犬を撫でたりくつろいだりテレビを見たりする姿を合成したものだった。そして、こう投稿した。
《友達と会えない。飲み会もできない。ただ、皆さんのこうした行動によって、多くの命が確実に救われています。そして、今この瞬間も、過酷を極める現場で奮闘して下さっている、医療従事者の皆さんの負担の軽減につながります。お一人お一人のご協力に、心より感謝申し上げます》
しかし、厳しい声が相次いでいる。2月26日、新型コロナウイルス対策として政府がコンサートの中止や延期などを要請。そしていくつもの公演が中止となった。そんななか3月2日の国会で安倍首相はコンサートの中止に伴うチケット払い戻しなどの損害について、資金繰りは応援するが「政府として損害の補償はできない」と答弁。また3月28日の会見でも「税金で補償することはなかなか難しい」と話した。
星野も政府の自粛要請でイベントが中止となったミュージシャンの1人だ。そのため安倍首相の「うちで踊ろう」に違和感を覚える声が、こう上がっている。
《音楽業界への補償はしませんって言ったのに自分のアピールのためには使うんだ…しかもそれが優雅にわんちゃん撫でたりお茶飲んでる動画なんだよ》
《それだけ「音楽」と言う文化が人の心を動かすものだと理解しているなら、音楽や芸術に対する補償も考えてほしい。都合のいい時だけ利用しないでほしい》
また星野は「うちで踊ろう」というタイトルの英訳を「Dancing at home」でなく「Dancing on the inside」としている。このことについて9日にTwitterで《「at home」とかにしないことで、外出せざるを得ない人も「屋内」で踊れるし、物理的に踊れない人も「心の中」で踊れる》と指摘された際、彼はInstagramでこう返答した。
「“心の中で” その通りです。素敵なご指摘をありがとう でも英語翻訳だけでなく、元々がそういうタイトルであり、そういう想いを込めた歌なんです。だからこそ“おうち”で踊ろうではなく、“うち”で踊ろう、なんです」
新型コロナウイルスの感染が拡大するなか「うちで踊ろう」には「今こそ重なり合おう」というメッセージが込められている。そして星野が《誰か、この動画に楽器の伴奏やコーラスやダンスを重ねてくれないかな?》と呼びかけたため、音楽で重なり合うことを目的として参加者たちは星野に音楽や動画を合わせてきた。
そのため犬を撫でる様子などをアップし自身のメッセージを発信した安倍首相に対して「意図はわかってるのか?」という声が、こう上がっている。
《あれは確かにStay Homeの一環ではあるけど、英題をDancing On The Insideとした意味はわかってるのかなって感じ》
《全然曲の意図を分かってないしムーブメントにも沿ってない》
《「うちで踊ろう」は単なる自宅待機啓発する動画じゃないのに》
《源さんの動画の意図をまるでわかってない》
安倍首相の呼び掛けた「Stay Home」は、国民の胸に届くだろうか。