「これまでに“ヒトから猫”“猫から猫”への感染は確認されていますが、“猫からヒト”への感染はまだ確認されていません。ただそもそも新型コロナウイルスが人間から猫へと感染するのであれば、逆もしかり。猫から再び人間に感染する可能性は否定できません。

 

また感染した猫に症状が見られないということも、注目すべきポイントでしょう。無症状であるということは“ネコ科やイタチ科の動物がコロナウイルスをヒトに感染させる中間宿主として、役割を果たした可能性”が考えられるからです。

 

今回の新型コロナウイルスは、コウモリがもともとの“自然宿主”と考えられます。自然宿主は感染しても症状を示すことなく、増殖したウイルスを排泄する。ウイルスと共生関係にある動物です。その自然宿主からどのような中間宿主をたどってヒトに感染したか、伝播経路を明らかにすることが対策を立てる上で重要な鍵となるのです」

 

実際、オランダ政府も猫からの感染を懸念しているという。

 

「オランダ政府は5月19日、ミンクから人に感染した可能性があると発表しました。さらに、そのウイルス感染拡大に猫がかかわっている可能性も指摘しているのです」(前出・別の全国紙記者)

 

ただ、飼い主にとって愛猫は家族の一員。まったくかかわらずに生活を続けるのは難しいだろう。今後、どう接していけばいいのだろうか。

 

喜田先生は感染の可能性を指摘したうえで、こうも語る。

 

「『愛猫が感染しないか』『感染した場合に他の猫や人間などに感染を拡げないか心配』という方は、猫にも“外出自粛”をお願いしてください」

 

感染のリスクを正しく認識しながら、愛猫との自粛生活を楽しもう――。

 

「女性自身」2020年6月9日号 掲載

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