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感染者増加とともに、続々と報告される飲食店でのクラスター感染。すでにスポーツバー、ラーメン居酒屋などで感染者が出ている現状下、飲食店利用時に客が注意すべきポイントはどこか。帝京大学大学院公衆衛生学研究科の高橋謙造教授はこう指摘する。

 

「原則として少人数で、会話は控えめを心がけ、パーティなど、大人数での飲食は避けましょう。お酒が入ると声が大きくなり飛沫が飛びやすくなるのでご注意を。飲食時にも新しい生活様式は不可欠。カラオケ好きな人の場合、どうしても歌うなら、マスクを着けて歌うほうがいいでしょう」

 

店の卓上などに置いてある調味料にも、注意が必要だ。

 

「私が勤務する病院の食堂では、調味料だけを給仕する専門の担当者がいるほどです。飲食店でよく置いてある、塩・こしょうなどを入れた金属の容器に直接触ることで、ウイルスが付着すれば、そのままにしていると1日以上は生き残っています。媒介する可能性は十分あるのです。私は飲食店で席に座るときに、自己防衛として触れる部分はそのつど、消毒しています」(高橋教授)

 

囲われた喫煙席がある店では、また違ったリスクがあるという。

 

「若い世代だと喫煙者も多いですが、喫煙時は気道粘膜の炎症が起きているので、ウイルスの定着も促進しやすいです。呼気もたばこの吸引で大きくなりますし、室内の密閉空間での喫煙は控えたほうがいいでしょう」(高橋教授)

 

ほとんどの飲食店は懸命に、クラスターを発生させまいと対策を講じて日々、頑張っている。だからこそ客側も、店に任せるだけでなく、自らできることをして協力しなければいけない。

 

「食べる直前までマスクを外さないように。また、会う人数が増えることになる“はしご酒”は避けましょう。うつすリスクも、うつされるリスクも上がります」(のぞみクリニック・筋野恵介院長)

 

「人の多い店を利用する際は特に、お店だけに頼らず、ぜひやりすぎなぐらいに、ご自身でもリスクがあると感じたものに触れた場合は手洗い、消毒をお勧めします」(高橋教授)

 

東京都では、酒類を提供する飲食店の営業時間短縮が要請された。街の飲食店の灯が消えないよう、誰もが細心の注意を払うしかない。

 

「女性自身」2020年8月18・25日合併号 掲載

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