今、カラオケ業界全体が窮地に立たされている。
全国に約6000店舗あるカラオケボックスのうち、閉店したとみられる店が500店を超えたと、日本カラオケボックス協会連合会の発表により明らかとなった。
緊急事態宣言が発令された、4月から5月にかけては、ほぼすべてのカラオケ店が営業の全面自粛を強いられ、9月に入っても15日まで飲食店の営業時間短縮の要請が出された。
以前のような営業ができない上に、歌唱時は飛沫感染のリスクが高まるとされたことで、客足は依然として減ったままだ。カラオケ機器リース業者はこう話す。
「大手ではない小さな規模の店からカラオケ機器を売却したいという相談がよくきます。ただ、緊急事態宣言の前後の時期は、今後どうなるかわからない、先行きが不透明ということもあって、買い取りを停止していました。今では再開していますが、こちらとしても格安の値段を提示せざるを得なくて、交渉成立になりづらい状況ですね」(リース業者)
どうせ店を畳むのであれば、機器を売ってお金に変えたい。ところが、コロナ禍の完全な収束時期が読めない状況では、そんな希望もままならない状況にある。
客足を以前と同じように戻し、起死回生を図るべく、カラオケ店では、どのような施策が取られているのだろうか。
「カラオケスナックのような業態なら、付随するサービスでいくらでも工夫できます。ただ、カラオケボックスとなると、どうしていいか分からない、どこも立ち往生のような状況です。一応、感染予防策として、客の入れ替え時にマイクのグリルボール(網の部分)を付け替えたり、マスクを着用したまま歌うことを推奨したりしています」(前出・リース業者)
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