急にこうした状況に陥った場合、まずいちばんにすべきは住まいの確保だ。安心して眠れる場があってこそ、生活の立て直しの準備ができる。
「年末・年始に相談に来てくれたら、スタッフたちがビジネスホテルなど安心できる当座の住まいを確保します。必要に応じて緊急給付も行います。また、行政へ付き添って生活保護の手続きも手伝います。決してひとりにしません。まずは相談してください」(瀬戸さん)
東京に来られない人も、団体のホームページからメール相談を入れれば、ほかの支援団体につないでくれる。
問題なのは、こうした情報が本当に必要としている当事者に届きにくいことだ。
実際、この日の会見に出席した記者が「どのように情報を届けるのか」と尋ねる場面も。
これに対して冒頭の料理研究家・枝元さんは、感情も顕わにこう語った。
「情報を届けるのは、私たちですか? 記者さんたちの役割ではないですか? この間、ずっと報道を見てきましたけど、単に『こんなに生活困窮している人がいます』という情報を流すだけで、“当事者意識”がない。“公助”がないのと同じように。
それでは報道を見ている当事者の方も辛いのではないですか?
私たち、やっぱり“当事者”なんです。報道も含めて、私たちひとり一人が当事者意識を持って、いま何ができるかを考えてやっていくことが大事なんじゃないでしょうか」
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