ぜん息薬、皮膚病薬…“コロナで不足する薬”の共通点
画像を見る インドのロックダウンの影響はいまも残る(写真:アフロ)

 

■インフルエンザワクチンが一時的に不足した病院も

 

カモスタットについては、昨年夏に東京都内の病院がこんな告知をHPに掲載していたこともある。

 

《新型コロナウイルス感染症に対する予防、初期治療薬として期待が集まり、東京大学などが研究をすすめている「カモスタットメシル」を入荷いたしました。

 

もとは慢性膵炎や手術後の逆流性食道炎にお悩みの方のお薬なので、保険診療ではなく自費診療での処方となります。

 

このお薬を本当に必要とされている方々の余剰分がクリニックに入荷してきますので数に限りがあります》

 

「今後も“コロナに効果がある”と話題になった薬品が、入手しづらくなるという現象が起こる可能性は高いです」(前出・医療ジャーナリスト)

 

需要と供給の微妙なバランスのうえに成り立っている薬品供給。そのバランスを崩しているのが、“コロナへの不安”なのか。

 

前出の大学病院薬剤部関係者は言う。

 

「最近もインフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンが一時的に不足したことがありました。抗がん剤治療を受けると、免疫機能が低下することがあります。そこで患者さんには事前に、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンを接種することを推奨しています。

 

しかし今冬は、コロナとインフルエンザの同時感染を避けるため、また肺炎予防の意識も高まったため、例年より両方のワクチンを接種する方が増えたのです。そのために抗がん剤治療を受ける患者さんの分のワクチンが足りなくなったこともあったのです。

 

コロナ禍では例年とは異なるニーズも発生し、ワクチンばかりではなく、薬品が不足することもあります。しかし代替薬もありますので慌てないことが大切です」

 

また前出の公益社団法人日本薬剤師会の担当者も、

 

「ジェネリックもありますし、現状では、患者さんへ薬は行き届いていると認識しています」

 

持病薬や常備薬が一時的に消えてしまっても、医師や薬剤師と冷静に相談していくことが必要なのだ。

 

「女性自身」2021年2月16日号 掲載

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