「会社から案内がないから対象ではない、と思っていませんか? 公務員などの例外を除き、’13年以降、同じ会社で5年を超えて契約更新して働いていればどの職場においても対象になります。5年間は、契約をしていた期間を数えるので、契約期間中に、育児休暇や休職期間があっても、5年のうちにカウントされます」
パートでしばしばあるのが一度退職して、再び同じ職場に復帰した場合だが。
「1年以上勤務してからの退職で、働いていない期間が半年以内であれば、退職する前の期間も5年間に数えることができます」
申し込みができるタイミングは少しややこしいので注意が必要だ。
「期間中に、5年と1日を迎える労働契約期間の初日から、契約終了日までの間です。1年契約の人の場合、申し込みの権利が発生するのは6回目、3年契約の人は2回目の契約から申し込みができます。また、実際に無期契約に変わるのは、無期転換の申し込みをした契約の、次の契約期間からです」
無期転換の申し込み方は非常に単純だという。
「ご自身が、雇い主の会社に『無期転換します』と、伝えるだけで成立となります。トラブルを避けるためメールや書面などで申し込むといいでしょう」
書面の文章は次の文例を参考にしてほしい。
無期転換をしたいが、会社から説明がないなどで言い出しにくい場合は、どうしたらーー? 働く主婦の声を多く聞いてきたワークスタイル研究家の川上敬太郎さんがアドバイスをくれた。
「まずは『当社の無期転換に関する規定について知りたいのですが』と上司や人事担当者に尋ねてみてください。もし無期転換について、職場側が丁寧に説明してくれないとしたら、それはその職場のスタンスの表れ。長くいるべき職場か否かの判断材料にしていただいたほうがいいと思います」
不安定な時代だからこそ、雇用の安定を確保するためにぜひ無期転換を活用して、と嶋崎先生。
「今後もこの職場で働ける、という安心感は、大きな心の支えになると思います」
無期転換ルールを使って、コロナ禍を乗り切ろう!
「女性自身」2021年5月4日号 掲載