「自宅で死を待つだけ」大阪で始まった“最終的な医療崩壊”
画像を見る 防護服を着たスタッフが動き回る大阪暁明館病院の現場

 

■搬送先決定までに47時間かかったケースも

 

実際に大阪府の発表によると、3月以降に自宅で死亡した感染者は9人もいたという。

 

また自宅療養中の患者が緊急搬送を要請したにもかかわらず、搬送先が決まるまでに47時間もかかっていたといったケースも報じられている。

 

すでに起こり始めていた西岡さんが懸念する“最悪の未来”。これ以上の悪化を回避するためには、どう対策すればいいのだろうか。

 

西岡さんは次のように語る。

 

「こうした事態を打破するためには『診療する側の数を増やす』か『感染者を減らす』かの2択しかありません。

 

今の変異株は、感染力も重症化のスピードも速い。だから感染者を減らすには、吉村知事がおっしゃっているような“より強力な防御策”を講じる必要があると思います。

 

また診療する側の数を増やすことについても、大阪府だけでは限界があります。まだ医療体制の逼迫していない他府県の協力は、不可欠でしょう。

 

重症患者さんの他府県への広域搬送なども、選択肢として考えなければならない時期にきているのではないかと思います。

 

そうやって大阪の重症病床を空けていかなければ、いずれパンクしてしまうのは誰の目にも明らかです。

 

これらと並行して、今行っているワクチン接種を急ぐこと。現状で考えつくのはそれくらいでしょうか……」

 

「女性自身」2021年5月11日・18日合併号 掲載

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