「マスクと手洗い継続を」医師が“1回接種”の過信に警告
画像を見る ペルーでは変異株のラムダ株が猛威をふるっている(写真:時事通信)

 

■ワクチン接種後もマスク着用と手洗い継続を

 

デルタ株のほかにも、話題になっている変異株として、ペルーで最初に見つかったラムダ株もある。

 

「ラムダ株はまだ研究が進んでいないのではっきりと言えませんが、ペルーやブラジルなどで猛威をふるっている状況を見ると、感染力が高いことは間違いないでしょう。抗体の働きを低下させるのではないかと推測されていて、“ワクチンの効果が下がる”のではないかと考えられています」(左門さん)

 

日本での感染例はまだないが、「日本に入ってくる恐れはありますし、東京五輪によってそのリスクは高まると思います」(左門さん)

 

変異株に、五輪による人流の増加。強い対策をとらねば7月下旬から8月中旬に爆発的な感染が起きる、と話す専門家もいる現状だ。

 

心配は尽きないが、今後気をつけることについて児玉教授は、

 

「接種を終えた人も、マスク着用と手洗いは継続して、全体の感染者数が下がるのを待ちましょう。そもそも“ワクチンが95%効く”というのは、マスクや手洗いなどをしている感染対策下での話。推測値ではありますが、感染対策をやめた状態では6割ほどの効果しかないのではといわれています」

 

筋野院長も同様の意見だ。

 

「私がワクチンを打った人に話を聞くと、若い方を中心に『夏真っ盛りの8月に出かける予定を入れている』という人は多いです。確かに6月から1回目を接種している人は、8月ごろには抗体ができます。ただ、それでも100%人にうつさないわけではありません。

 

“全体の7〜8割が抗体を持たないと感染は収束しない”と考えられていますから、7〜8割の人が2回の接種を終えるまでマスクは必要。まして1回打っただけならもってのほかです」

 

ワクチンを打ったとしても、あくまで“過信”は禁物なのだーー。

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