自宅療養の母子に相次ぐ悲劇…医師は「妊娠中の感染は早産招く」と警鐘
画像を見る 日本大学板橋病院にある感染した妊婦の新生児をケアする部屋(写真:共同通信)

 

■子供の面倒を見るために自宅療養を選ぶ場合も

 

“母が子を失った”柏市の死の5日前、自宅療養中に“子が母を失った”悲しい事例も起きている。

 

東京都内の40代女性は、夫と子供とともに家庭内感染した。女性は糖尿病の基礎疾患があり、ワクチンは接種していなかった。

 

せきや発熱の症状があって、8月10日に陽性と判明。親子3人で自宅療養をすることになった。翌11日の症状はせきと発熱のみだったことを、保健所が確認。しかし12日、彼女が自宅で倒れているところを夫が発見。死亡が確認された。

 

家族で感染し母親が亡くなったこのケースと似た事例が、8月18日に静岡県富士市でも起きたことをテレビ静岡が報じている。

 

家族3人が感染し、夫は宿泊療養施設に入ったが、妻と子供は症状が軽く自宅療養を希望。その後、妻の容体が急変し、亡くなったという。

 

前出の筋野院長は、一家全員感染の事例は少なくないと話す。

 

「両親ともに感染するとどちらかは自宅療養で子供を見るという場合も多いです。私が診療した中でも、お父さんがホテル療養、お母さんが子供を見ながらなんとか自宅療養というケースがありました」

 

都内で亡くなった女性の子供の年齢は公表されていないが、学校に通っている年齢であれば、夏休み最中の出来事だっただろうか。

 

楽しく過ごせたはずの夏休みに流す涙は、あまりにもつらいーー。母子たちの悲劇がこれ以上続かないことを祈るばかりだ。

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