「感染対策が大きな課題だったが、定期的な検査や厳格な行動管理などにより、保健所によってクラスターとされた事例はなく、大会関係者から市中に感染が広がった事例も報告されていない」
「医療関係者の尽力と、国民の理解と協力があったからこそ、安全・安心な大会が実現できた」
こう話したのは、丸川珠代東京五輪担当大臣(50)だ。「NHK NEWS」によると丸川大臣は9月7日の会見で「コロナ禍で、さまざまな制約がある中での大会となったが、開催国としての責任を果たし、無事に大会を終えることができた」とコメント。そして冒頭のように語ったという。
東京五輪を終え、「安心安全に実現できた」と自画自賛してみせた丸川大臣。もともとは’21年2月、森喜朗氏(84)の「女性の話は長い騒動」が発端となり橋本聖子氏(56)が東京五輪の大会組織委員会会長に就任。そして橋本氏から引き継ぐ形で大臣に就任した。
しかし、その仕事ぶりはどうだったろうか。就任から2ヵ月半後となる4月23日、「五輪と感染対策のどちらが優先事項か」と記者から問われると「感染対策において一番の現場を持っているのは東京都。東京都はまさに五輪の主催者なので、どのような大会を実施すればどのような負荷が医療にかかるのか一番よくご存じ」と都に“丸投げ”。
さらにその4日後にも都について「こうしたい、ああしたいという声は何も届いてこない。どのように支援すればいいのか戸惑っている」「明確な方向性を示していただきたい」と述べ、“コメント待ち”の姿勢に「無責任」と指摘する声が続いた。
5月11日には、五輪の開催意義について会見で問われて「コロナ禍で分断された人々の間に絆を取り戻す大きな意義がある」と精神論に始終。6月、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長(72)が「五輪をこういう状況のなかで何のためにやるのか」などと発言したが、丸川大臣は会見で「全く別の地平から見てきた言葉」と不思議な言い回しを披露していた。
そして6月29日、東京五輪のボランティアらのワクチン接種について「2回目の接種が大会開始までに間に合わないのでは」と問われたところ、こんな“迷言”を残したことも記憶に新しい。
「1回目の接種でまず一時的な免疫をつけていただきたい」