「9月10日時点での日本の全人口のワクチン接種率は1回目が61.9%、2回目で49.8%と世界トップレベル。とはいえ、副反応を懸念して接種をためらう人も多いです」(医療ジャーナリスト)
日夜進む新型コロナウイルスのワクチン接種。発症や重症化を予防するとして大きな効果が期待されている。いっぽうで、接種後の副反応に頭を悩ませている人も少なくない。
「接種後に多くの人が倦怠感や腕の痛みといった副反応を訴えています。なかには40度近い熱が数日間出た人も」(前出・医療ジャーナリスト)
時間とともに抗体が減少していくことから3回目の接種も議論されるなど継続的な接種の可能性が高まるが、“つらい副反応はもう嫌!”という人も多いことだろう。
実はいま、世界各国で副反応に悩む人々の“救世主”となりうる次世代ワクチンの開発が進んでいるのだ。
「今の接種方法は筋肉注射のみですが、各国で鼻に直接噴霧するものや錠剤型ののむだけで接種できるワクチン開発が進行中です。また、ウイルスの変異に適応するものや季節性インフルエンザにも効力を発揮するタイプのワクチンも今後、生まれてくるでしょう」(前出・医療ジャーナリスト)
そんななか、日本発の次世代ワクチンとして今、大きな期待を寄せられているのが三重大学と三重県菰野町の医薬品研究開発ベンチャー「バイオコモ」が共同で開発している“鼻ワクチン”だ。
9月上旬、東海テレビの取材に対し、開発者の一人である三重大学大学院の野阪哲哉教授は、鼻ワクチンを接種したハムスターに新型コロナウイルスを投与した結果、肺に残ったウイルス量はゼロだったと説明。さらに動物実験で副反応はほとんど見られていないことも明かすなど、現段階では“夢のワクチン”なのだ。
「バイオコモ」の福村正之代表取締役は開発の経緯について明かす。
「元々、三重大学では鼻から感染する軽い風邪ウイルスをずっと研究していました。そこで呼吸器から感染するウイルスに対して知識がある弊社と共同で開発することになったんです」
鼻ワクチンの特徴はスプレーするだけで、鼻やのどの粘膜に抗体を多く生成できること。 さらに経鼻型には注射型にないメリットがあるようだ。