最新研究で判明「ブレイクスルー感染」過度な飲酒に要注意
画像を見る ワクチンを打つ女性。2回接種しても感染リスクはある(写真:アフロ)

 

■新規陽性者に占めるワクチン接種者の割合(8月18〜20日)

 

〈全年齢〉未接種:82.6%/1回接種のみ:4.8%/2回接種済み:3.8%
〈65歳未満〉未接種:84.0%/1回接種のみ:4.8%/2回接種済み:2.3%
〈65歳以上〉未接種:52.8%/1回接種のみ:4.3%/2回接種済み:33.1%

 

※厚生労働省「全国の新規陽性者数等及び高齢者ワクチン接種率」より本誌作成。和が100にならないのは「接種歴不明」の人がいるから。

 

「千葉大学医学部病院がワクチン接種者を対象に行った調査では、『毎日飲酒している人』は、そうでない人に比べ、抗体の総量が少ないという結果でした。長期的に大量のアルコールを飲みすぎると免疫系が抑えられ、細菌やウイルスに感染しやすくなってしまうことが示されています」(大西さん)

 

当然、感染者との接触機会が多い人は注意が必要だ。

 

「看護師などのヘルスワーカーのように感染者と接触し、ウイルスにさらされる機会が多ければ、当然リスクも増えます」(峰さん)

 

そうした仕事についている人でなくても、家族の感染でリスクは飛躍的に高まる。

 

「デルタ株に置き換わったことで、子どもの感染者が増えています。12歳未満のワクチンが接種できないお子さんがいたり、ワクチン接種したくても予約が取れない若者のいる世帯は、ワクチン接種を終えた同居家族も特に気を付ける必要があります」(久住さん)

 

【Q3】重症化や死亡のリスクは?

 

たとえ、ブレイクスルー感染をしても、ワクチンに効果はある。

 

「シンガポール国立感染症センターの研究では、デルタ株に感染したワクチン接種者と未接種者で、発症時のウイルス量は同程度だったとのことです。しかし、1週間後にはワクチンを接種した人のウイルスは急速に減少、感染している期間が短いことが示唆されました」(大西さん)

 

ただ、感染リスクが高い人は、やはり重症化リスクも高いという。

 

「免疫不全、高血圧、糖尿病、心臓病、慢性腎臓病、肺疾患、がんなどの基礎疾患がある方や高齢者はリスクが高い。たとえば米国ジョンズ・ホプキンス大学の研究によると、一般の接種者に比べ、臓器移植した人のブレイクスルー感染の可能性は82倍、重症化の可能性は485倍にも跳ね上がります」(大西さん)

 

8月30日、CDC(米国疾病予防管理センター)は、米国でワクチン接種を完了した1億7,300万人のうち、ブレイクスルー感染で入院または死亡した人が1万2,908人いたというデータを発表している。

 

「そのうち、死亡者数は2,437人で、ワクチン接種者の0.001%でした。女性の占める割合は44%、65歳以上の占める割合が87%です」(大西さん)

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