99歳とは思えないハリのある声で語ってくれた(撮影:菊池一郎) 画像を見る

渋沢栄一の孫でエッセイストとして活躍する鮫島純子さん(99)は、その心身壮健な様子や穏やかな語り口で、多くの人々の注目の的となっている。

 

渋沢栄一の実像を知る貴重な生き証人でもある鮫島さんは、渋沢の三男で実業家渋沢正雄氏の次女である。近年はエッセイストとして著書を出し、近著『なにがあっても、ありがとう』(あさ出版)『97歳、幸せな超ポジティブ生活』(三笠書房)はいまやベストセラーに。

 

そんな鮫島さんは、様々な人の導きがあってこその、今の健康的な暮らしがあると話す。そのカギを握るうちの1人は、鮫島さんにとって2人目の人生の師である故・荘淑旂(そうしゅくき)氏。

 

鮫島さんは荘氏から伝授された食事、睡眠、そして「防がん宇宙体操」などを日々の暮らしに取り入れ、その健康の源としているのだ。

 

■姿勢をピンと!宇宙体操

 

「ある日、この体操の参加を呼びかけるチラシを見て、自宅から近い明治神宮の宝物殿の前の芝生が会場ということもあり夫婦で参加したことが始まりです」

 

教えていたのは台湾出身で日本で医学博士となった荘淑旂氏で、講習が終わって挨拶をすると、「あなた方ご夫婦をよく見かけていた。」といわれて驚いたという。

 

「漢方五千年の傷寒論をもとに先生はご自身の研究成果を著作として出され、医師からも見放された難病の患者さんを、心身を総合的に診察の上、薬を使わずに自然の食品や薬草で治療されている高名な医師でした。

 

最初はそうとは知らず散歩のついでに参加したのですが、先生のほうから、『あなたたちが夫婦で散歩をされているのをよく見かけていて、歩き方が悪いので気になっていた。見ず知らずの者が注意をするわけにはいかないので黙っていたのです』といわれ指導していただきました。『あの歩き方ではせっかく歩いても健康効果があまり得られませんよ』とも教えていただき、とてもありがたいことだと思いました」

 

体操はがんに精通する荘氏の考案で万病予防する健康法。
「タオルかハンカチがあれば、どこでもできますができれば青空を仰ぎながらがいいでしょう」

 

【1】タオルの両端を手のひらに乗せる形で握り、両手を前に突き出す。握った左右の手を内側にひねる。
【2】タオルを握ったまま天高く両腕を頭上にあげて、背筋を伸ばす。このとき左右の耳に腕がつくように、腕をまっすぐに上に伸ばす。
【3】タオルを天に向かって左右に引っ張りながら歩けば自然と下腹がへこむ。内股が緊張し、つま先立って足の指で大地をつかむ感覚で口は閉じ30歩を目処に歩くだけ

 

「先生のご指導によると、何キロ、何歩歩くということを意識するよりも、歩く姿勢が大切であるということ」

 

という鮫島さんの驚異的な健やかさが何よりの証明だ。

 

※インタビュー(5)へ続く

 

(取材・文:本荘その子/撮影:菊池一郎)

出典元:

WEB女性自身

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