■交差接種におけるデメリットはほぼなし
交差接種について、ウイルス学が専門の埼玉医科大学の松井政則准教授に解説してもらった。
「3回目のワクチンは、免疫力を強化するために接種するもの。たとえるならば、たき火にくべる薪です。1回目のワクチンで種火を起こし、2回目でたき火に勢いをつけました。しかし、火力(=免疫力)は時間とともに弱くなっていきます。そこで薪を追加して、火の勢いを強くさせるイメージです。ファイザーもモデルナも、どちらもメッセンジャーRNAワクチンという同じタイプ。いわば“スギ”という同種の薪をくべているのです。2つのワクチンの違いは、スギの産出地が異なるようなもので、少しの違いはあっても、どちらもスギであることには変わりありません。交差接種をしても、デメリットはほとんどないと考えてよいでしょう」
最後に森内先生が語る。
「モデルナとファイザーのワクチンの有効性は、世界中で使用されているワクチンのなかでトップ2。国や地域によっては有効性の低いワクチンしか打てないか、それすらも接種できない人がいるのです。重症化リスクの高い高齢者は、早めに接種しない理由はありません」
第6波を食い止めるカギとされる3回目のワクチン接種。モデルナを打つことをためらっている人も、もう一度接種のメリットと感染リスクをてんびんにかけてみてもよいかもしれない。
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