ウクライナを脱出しても渡航費の確保に困難…避難留学生を日本語学校が受け入れ中
画像を見る 清風情報工科学院

 

■最大のネックは渡航費の確保

 

留学生の学費は、半額から最大で全額を学校が負担し、滞在費や渡航費などはクラウドファンディングで集めて、留学生への支援に充てるという。だが、問題も少なくない。

 

「学生の受け入れにあたって、いま最大のネックとなっているのは渡航費です。

 

そもそも、ウクライナ国内を移動して国外に脱出するのも一苦労ですが、そこからすぐに日本に向かえるわけではありません。例えばある学生が、電車を乗り継いで2日かけてウクライナから出国し、ポーランドの首都・ワルシャワに着いて、日本に向かおうとします。

 

それにはまず、ビザを取得しないといけません。日本政府はすぐに発給する方針を示していますが、それでも3日前後はかかってしまいます。

 

ビザがないと航空券は買えませんし、やっと買える段階になっても、すぐ乗れる便は高額で、手が届きにくい。そうすると、その学生は何日間かワルシャワ市内に滞在しなければなりません。その際の滞在費もかかるわけですが、避難する学生の家庭の経済状況はさまざまです。ポーランドに避難するだけのお金しかないという学生もいましたから……」

 

平岡さんによれば、そうした学生を迎えに行ったり、泊まるところの確保を手伝ってもらうため、ポーランド在住の日本語教師に協力を仰いでいるという。

 

「こうしたケースは、今後受け入れを進めるにあたって頻発すると考えています。海外渡航の経験もない学生も中にはいて、乗り換えが少ない航空便に搭乗できるようにしてあげたいのですが……」

 

4月7日、岸田文雄首相は、ウクライナ避難民の日本への渡航を支援する方針を表明。日本行きを希望する人を集めて、ポーランドからの民間機の座席を政府が借り上げて移動を支援するというが……。

 

「政府もいろいろと手を打ってくださっていますが、なかなかすぐに対応策がまとまって動き出すわけではありません。資産のある方に、留学生に乗ってもらうチャーター便を飛ばしてもらえればいいのですが、そうもいきません。まずは私たちの団体が、学生の渡航を精一杯支援していくつもりです。

 

支援会を発足してから私たちは、渡航をサポートする費用はクラウドファンディングで集めています。渡航費がしっかり確保されていれば、もっと多くの学生を救うことができるので、今後も協力していただけるように呼びかけていきます」

 

ひとりでも多くのウクライナ人の学生が、日本で平穏に勉学に励めるようになってほしいものだーー。

出典元:

WEB女性自身

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