4月25日、ウクライナの外務省が他国への感謝の気持ちを表明した。ところが、自民党の政治家は「ウクライナ政府が感謝している国々の中に日本がない」などと問題視。その言動が波紋を呼んでいる。
同日、ウクライナ外務省の公式Twitterが《ヴァレリー・ザルジニー司令官「多難な時代のなかで支援し、変わらず支持してくれるパートナーたちに大変感謝しています」》と英語でつづった。あわせてアップされた動画では、アメリカなど31の国名が紹介されており、最後には「我々の友情は我々の勝利だ」とのテロップも英語で流れた。
すると、自民党の山田宏議員(64)は投稿を引用し、こうツイートした。
《ウクライナ政府が感謝している国々の中に日本がない。外務省を通して確認しています》
さらに《このTwitter自体は、ウクライナ軍関係者が軍事支援国に対して発信したものを、ウクライナ外務省がそのまま発信したとのこと。ただわが国防衛省も、兵器ではないがヘルメットや防弾チョッキ等の軍事的な支援を行なっており、いずれにしても甚だ不適切なTwitter。外務省を通じて適切に対応する》と続けた。
また、佐藤正久議員(61)も《ウクライナ外務省の感謝ビデオに、支援国の中に日本国無し。これはダメだ。現地の日本大使館を通じてウクライナ外務省に申し入れ中》とTwitterに投稿。さらに《今朝の自民党部会でも問題になった》とも明かしている。
日本は3月8日、自衛隊機に乗せて支援物資や防弾チョッキ、そしてヘルメットをウクライナに送っている。さらに今月5日、ウクライナ人に対して合計2億ドルの人道支援を実施すると発表したばかりだ。
そのため、ネットでは《防弾チョッキなどお送りしていますし、心から応援していた日本人にとって不快なことに変わりありません》《金は欲しいが感謝はしないと、言うことか!わかりやすいな》《国民の税金から防衛省を通じての支援ですので抗議は当然だと思います》と議員らを支持する声が上がっている。
■「感謝のカツアゲ」という非難…釈明にも「無理がある」との声が
そのいっぽうで、議員らに対して、こんな非難も相次いでいる。
《国を守ろうと人々が死に物狂いで戦っているのになんでそんなに偉そうなんですか?》
《いつから日本は感謝されなきゃ手を貸さない国になったんだろ》
《感謝のカツアゲを止めろ》
山田議員は《感謝の押し付けは恥ずかしいのでやめてほしいです》というリプライに対して、《勿論感謝を押し付けるという対応ではなく、日本も限界がある中で出来るだけ支援してきたし、これからもしていくということを伝える対応です》と説明している。
しかし、「ウクライナ政府が感謝している国々の中に日本がない。だから確認する」などという当初の投稿と趣旨が異なるため、《じゃあつい数時間前は何「確認する」って言ってたんだよ》《言い訳がましい》《問題視しておきながら、予想以上に批判されたので軌道修正。でもこの釈明は無理がある》といった厳しい声も上がっている。