岩下志麻が語る北条政子像 多くの女性を庇護した“哀しい母親”
画像を見る 政子が建立した鎌倉・寿福寺の裏山にある五輪の塔は、政子と実朝の供養塔(墓)とされている

 

■あの国民的名優も北条氏の末裔だった

 

「映画のロケに入るので、しばらくお参りに来られないと思います」

 

鎌倉の、北条一族を弔うために創建された金龍山宝戒寺を訪れ、先代の住職に律義に告げたのは、今は亡き俳優の高倉健さん(享年83)。2012年公開の最後の主演映画『あなたへ』の撮影に入る直前のこと。

 

現住職の静川慈昭さんは、

 

「50年も前に、ご自分も北条一族の末裔であると知って以来、供養やお布施を欠かさなかった高倉さんですが、あのときの訪問がお目にかかった最後となりました」

 

ちなみに、政子と血のつながった子孫は頼家の娘の竹御所のみとなっていたが、彼女も33歳の難産がもとで亡くなり、残念ながら、直系の子孫は絶えてしまう。

 

結局、政子はどんな女性だったのだろう。野村さんは、政子のこんな一面を強調した。

 

「政子は、立場は違っても女性同士が親近感を持ち、助け合う時代を作ろうとしていたんです」 前述のように、政子が弱い立場の女性を庇護し続けたことはあまり知られていない。

 

現在放送中のドラマ『鎌倉殿の13人』では、今後どのような北条政子が描かれるのだろうか。岩下さんは、こう期待を寄せた。

 

「今後は、尼将軍となった強い政子を、小池さんがどのように演じられるのか、また政子の子供たちもどう描かれるのか、とても楽しみです」

 

【参考文献】

『北条政子 尼将軍の時代』野村育世著(吉川弘文館)
『史伝 北条義時』山本みなみ著(小学館)
『学習まんが人物館 北条政子』山本みなみ監修(小学館)
松村邦洋「鎌倉殿の13人」を語る』松村邦洋著(プレジデント社)
『NHK大河ドラマ・ガイド 鎌倉殿の13人前編』『鎌倉殿の13人 北条義時とその時代』(ともにNHK出版)

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