■59歳以下でも基礎疾患があれば接種を
今回のワクチン接種、「基礎疾患持ちではないし受けなくていいや」と思っている人も多いだろう。しかし、実は自分で認識していなくても、基礎疾患や重症化リスクがあり、医師によって接種が認められる場合もあるという。
「過去に健康診断で、病院への受診を勧められたにもかかわらず放置している人は、一度医師の診察を受けるとよいでしょう。医師の診断を受けていないだけで、基礎疾患に該当する可能性があります」
そう語るのは、ナビタスクリニック理事長の久住英二さん。
さらに、基礎疾患というと、糖尿病や心不全など重い病気ばかりを想像しがちだが、高血圧や大きないびきを特徴とする睡眠時無呼吸症候群も含まれている。また、BMIが30以上の肥満の人も、4回目接種の対象だ。
4回目接種は、自治体によって接種券の配布方法が異なる。大阪市は3回目接種から5カ月が経過した18歳以上の全住民に接種券を郵送するが、対象者以外は接種できない。埼玉県戸田市では60歳以上の人だけに接種券を送付するという。
「18歳以上59歳以下で基礎疾患のある方が4回目接種を受けるには、接種券の送付を申請する必要があり、それに関する案内を全戸に配布しています」(戸田市新型コロナウイルスワクチン接種対策室)
つまり現状で示されている方針に沿えば、59歳以下の人はワクチンを接種したほうがよいか医師に相談して判断し、場合によっては接種券を取り寄せる必要がある。
そこで、本誌は4回目接種をすべきかどうかを判断するためのチェックリストを作成した(画像参照)。まずは自分が打ったほうがいいのかどうかを確認し、かかりつけ医などに聞いてみよう。
これらの基礎疾患はなぜ重症化リスクを高めるのだろうか?
「コロナは肺炎を引き起こしたり上気道に炎症を起こすことがわかっていますから、呼吸器に疾患がある場合は注意が必要です。たとえば、肺気腫やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)など。ぜんそくは重症化リスクにはそれほど関係ないことがわかってきましたが、治療をしている場合はかかりつけ医に相談してみるとよいでしょう」
さらにコロナウイルスに感染して重症化すると、心臓や腎臓、肝臓にも負担がかかるため、これらの疾患を持つ人も注意が必要だ。
「基礎疾患には含まれなくても、気になる疾患がある人は、かかりつけ医に相談するとよいでしょう。現在の病状をふまえて、接種の必要性を判断してくれますよ」
自治体が接種券を送ってくれずに重症化するのは避けたいもの。自分の身を守るため、接種の必要性を見極めよう!