巨大イカに2695万円…コロナ交付金による“地方創生”の実態
画像を見る コロナ交付金2695万円で創られた巨大イカ

 

■巨大イカモニュメントに2695万円

 

【石川県能登町】巨大イカモニュメントを製作/2695万円(うち一般財源195万円含む)

 

「当町は、日本三大イカ釣り漁港として『能登小木港のイカ』が基幹産業となっております。ところがイカの不漁、コロナ禍で魚価も下落するなど、漁業の存続が危ぶまれる状況となりました。イカモニュメントは、国が示した(交付金)活用事例『3.経済活動の回復』の中の『地域の魅力磨き上げ事業』に該当するもので、コロナ禍が収束後に町内経済の回復に寄与することを目的として製作を行いました」(能登町ふるさと振興課)

 

【広島県呉市】公共施設「グリーンピアせとうち」収入減の補塡/6322万6000円

 

「呉市の公共施設であるグリーンピアせとうちは、緊急事態宣言の発出等、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を受け、売上収入が大きく減少し、著しく運営に影響を来す状況となりました。施設の維持管理を含めた公共施設の適切な事業継続のため、その指定管理者に対し、交付金を活用して支援金を給付したものです」(呉市企画部企画課)

 

【広島県三次市】公用車10台購入:「マツダスクラムバン」5台、「マツダ3」3台、「マツダ2」2台/1612万6426円

 

「感染拡大により、令和2年春ごろには多くの産業が低迷し、広島県に本社を置くマツダ(株)も4月と5月の国内生産台数が前年比で約80%以上減少。自動車販売、関連部品等を製造する企業も大きな影響を受けました。交付金を活用しマツダ車を購入することで、低迷していた自動車産業を支援。地域経済、雇用そして地域活性化に好循環を生む契機の一つとなる事業であったと考えています」(三次市総務企画部企画調整課)

 

5つの自治体の回答はおおむね「コロナ後の経済回復」「地域活性」「地元企業支援」というものだった。コロナ感染予防の啓蒙活動、医療体制拡充など、必要な事業はほかにもありそうなものだが……。

 

■役場のエレベーター改修も交付金で!?

 

前出の「ワースト100事業」の中には、コロナ交付金がすっかり自治体の一般財源のように使われているケースも。

 

岩手県普代村では、交付金(1430万円)が「役場のエレベーターの改修費」に充てられている。

 

はたして、これでも“地方創生”といえるのだろうか?

 

「地方自治体の行政や議会が機能不全に陥っていると言わざるをえません。事業目的は後付けで、国からお金を取ってくることが最優先にされているという印象です」(前出・辻さん)

 

交付金の財源は国債や税金=私たち国民のお金だ。物価上昇、エネルギー高騰、円安など、家計負担が深刻さを極めるなか、これ以上の無計画なばらまきはどうかやめてもらいたい。

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