■ブランド品が買えない
かつては背伸びをすれば手が届いた海外のラグジュアリーブランドももう遠い存在に……。流通・ファッションビジネスコンサルタントの小島健輔さんはこう語る。
「この20年で、日本の賃金が上がらず、税金や社会保険料が上がったことで消費支出は2割近く下がりました。なかでもアパレル(洋服、シャツ、セーター)の支出は2000年の約11万4千円から2021年には約61000円とほぼ半分に落ち込みました(家計調査)。一方で、ルイ・ヴィトンやエルメスなどの欧州の高級ブランド品は、商品のクオリティを上げ、値上げを繰り返してきました。この円安の影響もあり、日本円での価格は大幅に上がっています」
ある欧州有名ブランドを例にとれば、20年前は5万〜6万円ほどだった定番バッグが、今は20万円ほどと3倍近くになる例も。
■洋酒や輸入食品が高嶺の花に
—今日は誕生日だから。お祝いの日にいいワインを開ける。それができるのはもうセレブだけかもしれない。ワインやチーズ、キャビアなど、高級食材は軒並み高騰している。
日本の購買力の低下で参考になるのが、「ビッグマック指数」だ。マクドナルドのビッグマックは全世界で材料も作り方も同じ。その価格を比較して、その国の購買力を測ることができるのだが、現在の日本の価格は390円で、ベトナムに次いで41位。20年前は5位だったことから急速にものを買う力が低下していることがわかる。
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