10月11日は「国際カミングアウトデー」。自身の性的指向や性自認をカミングアウトするLGBTQを祝福する日だ。しかし、そんな記念日にまつわる企業のSNS上での投稿が物議を醸していた。
例えば「花王」の商品「メリット」の公式Twitterアカウントは、11日にこう投稿。
《#メリット ってどんなシャンプーなのか知らんし。というあなたに話しかけています。実は…#ノンシリコーン シャンプーなんですよ。#国際カミングアウトデー ということで、みなさんが知らなそうなことをカミングアウトしてみました。。。》
また「宅配寿司 銀のさら」の公式Twitterアカウントも《銀のさらは、実はサンドイッチ店から始まった #カミングアウトの日》とツイートしていた。
日本では「打ち明ける」といった意味でも使われることも多い「カミングアウト」だが、国際カミングアウトデーの目的とは異なる。
「80年代前半からアメリカでエイズが流行し、多くのゲイやバイセクシュアルの男性が亡くなりましたが、政府は対策に乗り出そうとしませんでした。そこで’87年10月11日に『レズビアンとゲイの権利のためのワシントンマーチ』が開催され、措置を求めたことにちなんで翌年、国際カミングアウトデーが制定されたのです」(全国紙記者)
そうした背景から趣旨とは異なる投稿を行った2社に対して、非難が相次いだ。結果、両社はTwitterで謝罪声明を発表した。
そんななか、もう一つ波紋を呼んだ投稿が。それは、自衛隊大阪地方協力本部の公式Twitterアカウントのツイート。国際カミングアウトデーに際し11日、自衛隊大阪地方協力本部公認ゆるキャラ「まもるくん」の写真をアップした上で、こう綴った。
《まもるやで 今日は 「カミングアウトデー」ありのままの自分を #カミングアウト するきっかけの日なんや!というわけで、まもるもカミングアウトするで~ 「実はな… #ほふく前進 得意やねん!」そやけど「服汚れる」って怒られるから、やったらあかんねん ちなみに #妖精 でもあるで!》
しかし、国際カミングアウトデーに便乗したこの投稿にも、ネットでは《「カミングアウト」という言葉をこうも雑に扱うとは…》《まさかの自衛隊で二度見した》《みんなでカミングアウトを茶化すことが流行っているのか?》と厳しい声が上がっている。
そこで本誌は、自衛隊大阪地方協力本部に批判の声に対する見解を問うと、担当者は電話でこう答えた。
「このたびは国際カミングアウトデーの意味を理解せず、誤解を招くような投稿をしてしまい、申し訳ございません」
本誌が投稿の意図を尋ねると「募集広報でした」と担当者は説明。そして、「再発防止に努めます」と述べた。