2月9日夕方、18時ちょうどに、女性たちがいっせいに仕事先から戻ってきた。マスクやサングラスをつけているので表情は読み取れなかったが、声をかけても無言を貫くのは、全員同じだった。
この2日前、元占い師・渋谷博仁容疑者(74)と、元妻・渋谷千秋容疑者(43)が準強制性交未遂容疑で逮捕されている。
「昨年12月、千秋容疑者は知り合いである10代の女性に『いい占い師がいる』などと言って自宅に呼び、渋谷容疑者を紹介したそうです。渋谷容疑者は『あなたは宇宙人に連れ去られて食べられる。死を回避するためには、性交するしかない』などと脅し、性的暴行を加えようとした疑いがもたれています」(全国紙・社会部記者)
渋谷容疑者は千秋容疑者を含めた9人の女性や3人の子供と東京都東大和市の自宅で集団生活を送っているという。彼は06年にも集団生活に加わるよう女性を脅したとして逮捕され、“東大和市のハーレム男”として注目を集めた人物。それからもずっと“一夫多妻生活”を続けてきたのだ。
自宅近所の男性はこう語る。
「“ハーレム”と報じられていますが、私たちからすると“相互扶助団体”というイメージです。
(渋谷容疑者は)もうおじいちゃんですし女性や子供たちを養っていくことなんてできません。その分、女性たちが一生懸命働いて貢いでいるのです。朝8時には自動車や自転車で出勤して、18時に戻ってくるという生活をしています」
女性たちは近所のスーパーや量販店で働いているという。こうした生活がスタートしたのは03年ごろ。渋谷容疑者は約1年間で9人の女性たちと結婚・離婚を繰り返し、それぞれに自宅の土地・建物の権利を贈与したのだ。
驚くべきことに、そうして“妻”となった女性のうち、財産を放棄して離脱したのは20年間のうちでただ1人だけ。
8人の妻たちは容疑者との生活を続け、12年にもう1人妻が加わって、現在にいたっている。
当時のマスコミの取材に対し、自身のことを「(『ドラえもん』の)のび太のような情けない性格」と語っていた渋谷容疑者もすでに74歳。なぜ妻たちは彼を中心に結束を保ち続けているのか?
夫婦問題研究家の岡野あつこさんはこう語る。
「一般的には女性には2タイプがいて、引っ張ってくれる男性が好きな人と、母性本能をくすぐられて何かしてあげたいと思うような男性が好きな人がいます。
渋谷容疑者は、カリスマ性を備えつつ、母性本能もくすぐる人物なのでしょう。また女性を平等に扱うことで、彼女たちの居心地をよくしているのかもしれません」
自宅もほぼ均等に分けられており、“妻は平等”は容疑者が守り続けたルールのようだ。45歳の妻・A子さんの古い知人によれば、
「彼女のご両親は夫婦仲が悪くて、そのせいもあって親子関係もよくありませんでした。A子さんがあの男と生活をしていることは06年の報道後に知りました。
お母さんが連れ戻しに行きましたが、追い返されたそうです。
かわいそうでしたが、実家よりも集団生活のほうが安心できたようです。“多くの女性がいるけど、平等に扱われているみたいだ”と、お母さんは言っていました」
結婚20周年の夫の再逮捕、それでも妻たちは結束し続けるのか。