オンライン角打ちなど斬新なアイデアで、令和の時代を乗り切る「三益酒店」の三姉妹
画像を見る 東京・赤羽「三益酒店」の三姉妹、美保さん、由美さん、美香さん

 

■YouTubeの発信でいまじゃ日本全国どころか香港、台湾、中国からもお客さんが訪れて

 

現在の三益酒店は美保さんと由美さん、それぞれの夫も加わり、社員は全部で7人。そのほかアルバイトもいて、先代が夫婦2人で営んでいたころとは、すべての面で大きく様変わりした。

 

孝生さんを支え長年苦労を重ねてきた母・博子さんは、いま、三姉妹が店を切り盛りする姿を「夢にも思っていなかった」と話す。

 

「ここは昔、酒屋が近所にいくつもあって。だから、お酒が1日に1本でも売れたら『よかった〜』って胸をなで下ろすような時代もあったんです。それがいまや、3人の娘たちが成長して、こんなふうに盛り上げてくれるなんて。信じられない気持ち」

 

いっぽう、頑固な父はというと。

 

「三姉妹は時代の最前線にいると思いますよ。まさにそこが、うちの三姉妹のすごいところ」

 

美保さんが言っていたように、孝生さんは、本人たちがいないところで、記者に向かって彼女らを褒めちぎった。

 

「うちの三姉妹がすごいのはね、YouTubeを覚えたことだね。だって、あれを見て、いまじゃ日本全国、いや、それどころか、香港や台湾、中国からも、お客さんが来るんだから」

 

そんな孝行娘たちはこの先、三益酒店をどう発展させていこうと考えているのか。三代目が語る。

 

「若い人を育てたいです。そして、お酒離れが進む若い人たちに、お酒をもっと身近に感じてもらえるような発信も続けていきたい」

 

姉の言葉を聞いていた由美さん、小声で「もう一つあるでしょ」とさらなる答えを促した。慎重派の美保さん、照れ笑いを浮かべながら、こう切り出した。

 

「これは本当に大それた夢なんですけど……、私たち三益酒店の物語が、朝ドラにならないかなぁ、なんて。そんな話をさかなに、三姉妹でお酒、飲んでるんですよ(笑)」

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