“マスクはがし”“死者数隠し”…9波到来でも岸田首相は「コロナは終わった」ことへ
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■自己負担化で検査・通院控えに

 

インターパーク倉持呼吸器内科、院長の倉持仁さんは、こう斬り捨てる。

 

「いまだに、検査→診察→治療という迅速な流れが構築されていない日本において、死者数や感染者数のタイムリーな発表をやめてしまうということは、〈もう国は何もしません。自己責任でやってください〉というメッセージに等しい。2カ月後に知らされても、対策の立てようがありませんから」

 

これまで毎日行われていた感染者数の発表も、5類移行後は行われなくなる。代わりに約5千カ所の定点医療機関が、週ごとに感染者数を報告。国立感染症研究所がそれをホームページ上で公表するというが……。

 

「診療控えも進むでしょうし、コロナ流行当初からPCR検査を抑制してきたので正確なデータは取れないでしょう」(倉持さん)

 

都内の救急病院で、コロナ患者の対応にもあたってきた医師の谷川智行さんも、こう懸念を示す。

 

「いくつかの病院に状況を聞きましたが、5類移行後は空床確保料を含め、あらゆる補助金が段階的に減らされるので、〈コロナの入院病床を維持すればするほど大赤字になってしまう〉と頭を抱えているところが多い」

 

政府は5類移行に伴い、発熱外来を現在の約4.2万件から最大6.4万件に。入院受入れ病院を現在の約3千件から8千件に増やすことを目指しているというが、

 

「各地に作られたコロナの臨時入院施設の閉鎖が始まっています。いったん閉鎖すると新たに作ることはできず、病床は減る可能性が高いと思います」(谷川さん)

 

5類移行に合わせて、コロナが収束してくれるならよいが、現実はそう甘くない。東京都では1週間連続で新規感染者数が前週を上回り、3月29日時点で前週比プラス629人に。全国的にも増加傾向で、現場の医師たちからは「第9波の始まりか」という声が上がり始めている。

 

「より感染力の強いオミクロン派生株が増え始めていますし、マスクを外そうということも含めて警戒感が弱まっているので、感染拡大は避けられないでしょう。検査や受診も自己負担になりますし、抗ウイルス薬も自己負担になれば数万円の出費に。そうなれば、さらに受診控えが起き、感染者の増加がより見えにくくなるのです」(谷川さん)

 

結果的に症状が悪化して救急車を呼ぶ人が増え、病床がひっ迫。入院先が見つからないという“医療崩壊”がふたたび繰り返されることになる。

 

直近の第8波は過去最悪の死者数だった。1カ月で1万人以上の方が亡くなったにもかかわらず、岸田首相は対策をアップグレードするどころか、ダウングレードしようとしているのだ。

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