■給与の手取りは10年で60万円減少
社会保険料の増加でダメージを受けるのは高齢者だけではない。深刻な少子化が加速する若い世代の負担も“さらに”増加する。
厚生労働省の調査によると、日本人の平均給与は、’94年の465.3万円から、’18年には433.3万円と約30万円も減少。一方で、税や社会保険料の負担額はうなぎ上りだ(下表参照)。その結果、39歳以下の単身勤労者の手取りは、’04年から’14年にかけ、年額にして約60万円近く減っている。
そのうえ、少子化対策の費用が社会保険料に上乗せされるという。1人当たりどのくらいの負担増となるのか。伊藤さんが解説する。
「財源として有力視されるのは、公的医療保険の保険料。かりに年間1兆円確保する場合、単純に被保険者数で割ると1人当たり年間約1万765円の負担増になります」
後期高齢者の場合は、すでに決まっている5200円と合わせて、合計1万6000円近く保険料が上がることになる。さらに、“たたき台”にある政策を全て行うと8兆円規模の財源が必要となるという。となれば、さらなる“増税”の可能性も見えてくる。
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