■当事者の持っている優しさ、エネルギーを生かせる社会になってほしいと願う
ひきこもり女子会の開催を重ねるなかで、驚かされたのが、参加する主婦の多さだった。
「予想以上でした。’19年からは自治体と連携し『ひきこもりママ会』も開催しています。これまで11回開き、延べ参加人数は61人。ニーズは確実にあると思います」
取材の最後に、改めていまの夢を尋ねると、
「UX会議など当事者活動は続けていきたい。それはなにも、誰かを助けたいからじゃなくて。私自身がいまも、この社会に息苦しさを感じているから。自分のためにも、隙間を作りたいんです」
そして、こう言葉を続けた。
「ひきこもり=弱くてダメな人、役に立たない人と思われがちですけど、彼らの持ってるものを測る物差しが社会の側にないだけだと思うんです。当事者の多くは、本当に優しくて繊細で。その半面、エネルギーの大きい人も多い。そのエネルギーで自分を責めるから、ひきこもりになってしまう気がします。彼ら、彼女らの持っている優しさ、エネルギーを生かせる社会になってほしいと思っています。
ま、簡単ではないとは思うし、私が生きているうちは無理かなとも思いますけど。そのための活動は最後まで続けたい。死ぬ瞬間まで『こうあってほしいんです!』って、電話一本、することはできますから」
自分ばかり責めてしまうがためのひきこもり。だが気づいてほしい、仲間がいることに。そして、あなたが自分を好きになることが、“闇”から一歩踏み出すきっかけとなることを。
関連カテゴリー: