■新型コロナウイルス経口内服治療薬の特徴
※各添付文章をもとに本誌作成
【ゾコーバ】
投薬可能な人:12歳以上の人/重症化リスクがなくても処方可能
服用期間:原則発症3日以内に服用。1日1回、5日間内服
効果:症状出現期間が約1日短くなる/副作用が少ない/BA.5にも有効
注意点:多くの薬との飲み合わせが悪い/アナフィラキシー症状が出ることも/妊娠中・授乳中は使えない
【ラゲブリオ】
投薬可能な人:酸素投与を必要としない18歳以上の人/重症化リスクの高い人
服用期間:原則発症5日以内に服用。1日2回、5日間内服
効果:ほかの薬を定期内服していても使いやすい/重症化リスク30%低減/BA.5にも有効
注意点:消化器症状やめまいなどの副作用がまれにある/粒が大きく高齢者は内服が大変/アナフィラキシー症状が出ることも/妊娠中は使えない
【パキロビッド】
投薬可能な人:成人、もしくは40kg以上の12歳以上の人/重症化リスクの高い人
服用期間:原則発症5日以内に服用。1日2回、5日間内服
効果:妊婦にも有益性が上回る場合に投与可能/重症化リスクを88%低減。BA.5にも有効
注意点:多くの薬との飲み合わせが非常に悪い/味覚不全や消化器症状があることも/アナフィラキシー症状が出ることも
■緊急承認新薬とは注意深く付き合おう
薬剤師の宇多川久美子さんも、薬には副作用がつきものであることを忘れないでほしいと強調する。
「どんな薬にも副作用はありますし、アナフィラキシーのリスクもあります。ゾコーバも日本の製薬会社が開発した新薬だから使いたくなるという患者心理もあるでしょうが、新薬は開発されたばかりで、まだまだわかっていないことがたくさんあるものです。特に緊急承認を受けた薬は、臨床の現場でも注意深く取り扱われるべきですね」
早く効果的な薬が出てきてほしいが、薬に「万能」はないようだ。