■過去のゼロ金利政策で倒産リスクを負った企業
電気代は、一般家庭で1キロワット時あたり7円の補助が出ている。
「家計調査では50代世帯の使用している電力は419.422キロワット時のため、補助金がなければ2936円も負担増になります」(内山さん)
【10月が危険!月々の「値上げリスト」】
・食品や日用品:4811円増
・ガソリン:補助金打ち切りで585円増
・電気:補助金打ち切りで2936円増
全てを合計すると、今年10月には昨年同月に比べ8332円もの負担増が予想されるのだ。
「とくに電気代の補助金がなくなることで、生活に大きな影響を受ける家庭も多いはずです。補助金はずっと続けられません。本来なら、政府が企業へ、現状よりもかなり強く賃金上昇を促すなどして、補助金の“やめどき”も用意しておくべきでした」(加谷さん)
こうした経済状況に追い打ちをかけているのが天候。今年の酷暑などが野菜の生育状況に影響を与えており、すでに値上げ傾向だ。
中央卸売市場によると、昨年の同時期と比べきゅうりが約41%、えだまめが46%も高騰。第一生命経済研究所のレポートでは、〈現在の暑さが続けば、野菜価格の上昇につながりかねない〉と、今後の値上げの可能性が指摘されている。
そもそも、岸田首相も閣僚として加わったアベノミクスに問題点があるという。
「現状の物価上昇を抑制するには、2%程度の思いきった利上げが必要ですが、難しいのが現状です。なぜなら、アベノミクスによるゼロ金利政策によって、利子を返済する体力がない企業も借り入れができているのです。そうした企業は、ひとたび金利が上がれば、利子を返せずに潰れてしまうリスクが。国も同様、1000兆円も借金があります。たとえば金利が1%になるだけで、10兆円もの利子を払う必要がでてくる。3~4年が限度といわれる“劇薬”のアベノミクスを長く続けすぎたため、容易に脱却できない状況となったのです」(加谷さん)
こうした政府の失策のツケを負うのは、いつも私たちなのだ。