お盆や年末年始などの帰省シーズンになると決まって混み合う新幹線。8月23日、JR東海はお盆期間(8月10〜17日)の東海道新幹線の利用者は269万7千人に及び、前年度比で25%多い結果だったと発表した。
さらに今年は、列島を直撃した台風7号の影響による計画運休の実施や、静岡県内の大雨によって東海道新幹線に大幅な遅れが相次ぐなど、例年以上の混乱を見せることに。
そんななか、SNS上で波紋を呼んでいたのが、混乱時の「グリーン車問題」。運休や遅延などによりダイヤが乱れると、乗車率が100%を超え、指定席券を持っていない人が立ち乗りするといったことがしばしば起こりうる。
そうした状況下ではグリーン券を持っていない乗客が、混雑のあまりグリーン車両で立ち乗りすることもあるが、これに対してSNS上では《マナーを知らん人多すぎ》《そもそもグリーン車は車内にいるだけでグリーン料金発生するからね。デッキに立っててもグリーン料金は必要》などと嫌悪感を示す人も少なくない。
毎年のように取り沙汰されるこの問題だが、SNS上では《特急とかグリーン車周りのシステムもよくわかってない》と訴える人も。
まず、新幹線(=特急)には自由席・指定席の2種類が存在する。指定席のなかでも、より設備が良い車両を「グリーン車」と区別しており、グリーン車を利用する場合は「グリーン券」を購入する必要がある。
グリーン車は普通車より座席数が少ないため、座席の幅が広く、フットレストも置かれているなど、より快適な移動時間を過ごすことができる。そのため、グリーン券を購入している人の立場からすると、たとえ運休や遅延などによる致し方のない状況であったとしても、グリーン券を持っていない人がグリーン車両に“侵入”してくることに不快感を覚えてしまうということだろう。
そこで、JR東海に混乱時も含めてグリーン券を持っていない乗客が、グリーン車両に入ることについて問い合わせてみると、次の回答が。
「弊社では、指定席特急券・グリーン券をお持ちでないお客様はデッキを含め、グリーン車の車内への立ち入りはご遠慮いただいています」
つまり、グリーン車両は席に座らずデッキや通路などに立っていた場合でも、グリーン券が必要となるということだ。
ただ、グリーン券は車内でも購入が可能なため、乗車後に精算をすればグリーン車両に入ることはできる。
まずは、グリーン券を持たずにグリーン車には立ち入らないこと。そして運休や遅延などにより普通車の座席がなく、グリーン車両に行く場合は、車内でグリーン券を購入することを心がける必要がありそうだ。