■世間の反響の大きさで自覚した「LGBTQ」で悩む人に伝えたいこと
クリスさんの両親はいま、結婚を祝福してくれているという。
「昔、ホモフォビアの気持ちが強かったお父さんだけど、いまは僕の幸せを喜んでくれるようになった。純くんとの結婚も『息子が一人増えた』と祝福してくれた。それは、僕もめちゃ嬉しかった」
いっぽう、竹田さんの実家の家族はというと……。
「私をいじめていた姉は、いまではいい理解者です。母はあまり自分の意見を言わない人ですが、私の話はちゃんと聞いてくれます。でも父は相変わらずで……」
竹田さんはこう言って顔を曇らせたが、それでも、この国はゆっくりと、前に進んでいる。
『新婚さんいらっしゃい!』の彼らの出演回の放送に前後して、二人のことをさまざまなメディアが取り上げると、インターネット上にはたくさんの反響が上がった。
もちろん、そこには賛否両論ある。だが、その多くは同性婚を遂げた竹田さん、クリスさんを祝福するもの。また、当事者やその家族から「励まされた、勇気をもらった」といった主旨の次のようなコメントも少なくなかった。
《とっても素敵なカップルです、応援しています》
《息子が同性愛者で将来に不安を感じていたけれど、2人の姿に、こういう形があると安心しました》
《いろんなかたが生きやすい社会になるといいなぁ》
反響の大きさを、当の二人も喜んでいる。竹田さんは言う。
「多くのLGBTQの人たちに、こんなハッピーな形もあるんだよ、というのが届いたのなら、私たちも嬉しいです」
最後に竹田さんは、日本中のお父さん、お母さんにメッセージを発した。それは、どこか自分の父に向けての言葉のようでもあった。
「どうかお子さんには『男らしくしなさい、女らしくしなさい』ではなく『あなたらしくいなさい』と言ってください。法律を変えるのは簡単ではないけれど、家庭でできる気遣い一つで、子どもの生きづらさは半減するはずだから」