【6】賃上げ政策
2023年の春闘では、記録的な物価高が根底にあるためか、賃上げに踏み切る会社が多かったという。
経団連の集計によれば3.99%の賃上げ率で、31年ぶりの水準だというが、果たしてその実感が国民にあるかというと……。「イラッとした政策」6位のアンケート回答を見てみよう。
《結局給料は上がらないから》(41歳女性)
《実際に賃上げされていないから。その割に全体的には賃上げが進んでいて、増税の話が浮かんでいるから》(38歳男性)
2023年は「賃上げ」に喜ぶどころか「値上げ」に苦しむ日々の連続だったという声が多かった。
【7】電気・ガス代補助金
2022年1月から始まったガソリン代への補助に加え、2023年1月からは電気・ガス料金の補助を政府は開始。
一般家庭の場合、電気代が1kwhあたり7円、ガス代が1㎡あたり30円の補助金額で、当初2023年10月までの予定だったが、物価高が続いていることにより、11月以降も延長された。だが補助金額は半分に減額されている。
今回の「イラッした」政策アンケートでは一番回答数が少なかったが、それぞれの回答理由を見てみよう。
《地域によって暑すぎる(寒すぎる)時期のいちばん電気代やガス代が高い時期に減額するなら納得できるが、何でもない時期(秋や春)に減額されてもなぁと思った》(47歳女性)
《補助金出すくらいなら単純に(値段を)下げれば良いと思う》(21歳女性)
やはり、庶民が何に苦しんでいるのか、理解されていないという声が多い。
最後に、アンケートに提示した7つの政策以外への回答も紹介しておこう。
《国民からお金を取るな、政治家の給料を減額しろ》(54歳女性)
《自分たちの給料はすぐ上げるのに国民の所得税減税は来年ってどうかと思う。反対に減らしてもいいぐらいだと思う。いろいろ特権もあり給料もらいすぎ。それでも足りないというのは何も考えず人の金だからザルみたいに使っているからでは? もうちょっとカチッとできる人がいないのかな》(65歳女性)
これらはどちらも岸田首相の政策というより、政治家、国会議員全体に対する苦言。
岸田首相が眼鏡越しに何かを訴えても、われわれは「聞く力」ならぬ「聞く気力」も出ないといった感に陥っているのかもしれない。
だが、無関心がいちばん怖いところ。放っておくと、その間にどんな法律が閣議決定されるかわからない。
期待できずとも、2024年も政治家と政策に注視を続けなければならない。
【2023年「いちばんイラッとした岸田政権の政策」ランキング順位】
1位:紙の健康保険証の廃止…91票
2位:低所得者世帯への7万円給付…81票
3位:防衛費増額…80票
4位:少子化支援金1兆円の徴収…71票
5位:一人4万円の定額減税…66票
6位:賃上げ政策…60票
7位:電気・ガス代補助金…10票
【調査概要】
実施期間:2023年12月19日
調査対象:20歳以上の男女500人
調査方法:WEBでのアンケート(クロス・マーケティングのセルフアンケートツール『QiQUMO』などを使用)