■求められるネットリテラシー「損をしてしまう可能性も大きい」
一括りにラーメン店といっても、大手チェーン店から個人店まで形態や規模は千差万別。そのいっぽうで、いまやSNSアカウントを持つ店も珍しくない。
「誰もが発信できる時代になったことの弊害なんだろうと思います」と指摘するのは、フードジャーナリストでラーメン評論家の山路力也氏。ラーメン店における炎上の背景について、話を聞いた(以下、カッコ内は全て山路氏)。
「コンプライアンスの面でもチェーン店などの企業は、発信することの重要性を意識しています。個人店もそうあるべきでしょうが、発信者がネットリテラシーに欠けていたり、ボキャブラリーが足りなかったりするため、炎上を引き起こしてしまうのだと思います。『まさかこんな大事になるとは思わなかった』との思いから、投稿の削除や謝罪をするのでしょう。
やはり店の名前を掲げて発信する以上は、お客さんに見られていることを意識した方が良いでしょう。上手に発信しないと、損をしてしまう可能性も大きいと思います。ネットで炎上してしまえば、店に対してプラスのイメージよりも、どちらかといえばマイナスのイメージがついてしまう。そうなると『行こうかな』と思っていた人も、敬遠してしまうでしょう」
とはいえ、なかには炎上を逆手に取る店もあるようだ。
「“背脂有料”の議論を巻き起こした『でぶちゃん』の例を挙げれば、明らかに拡散されることを意識して刺激的な文言を選んで投稿することで、世の中への問題提起と自店の認知度を高めています。メディアからの取材も含めて、自分の投稿によってどんなハレーションが起こるのかを想定して投稿しているので、投稿を消したり謝罪することはまずありません」
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