7月7日の投開票まで1カ月を切った東京都知事選挙。
6月20日に候補者の告示がなされるが、NHKによるとこれまでに30人以上が立候補の意向を示しており、過去最多となる見込みだという。
そんな数多くの候補者のなかでも有力候補と目されているのが、まだ出馬宣言はしていないが出馬する見通しの現職である都民ファーストの会・小池百合子氏(71)と、27日に立候補を表明した立憲民主党の蓮舫参院議員(56)。ともに女性政治家として抜群の知名度を誇る2人の一騎打ちになると予想されている。
しかし、自民党政治の打破を目標に掲げる蓮舫氏、小池氏には学歴詐称疑惑など過去にスキャンダルを報じられたこともあり、SNSなどでは「どっちにも投票したくない」と嘆く声も少なくない。
そこで本誌は、東京都在住の女性500人を対象に蓮舫氏と小池氏以外で「都知事になってほしい女性政治家」のアンケート調査を実施。ツールはFreeasyを使用した。その結果を、ランキング形式で発表する。
まず3位に選ばれたのが、自民党の野田聖子氏(63)。
‘87年に史上最年少の26歳で岐阜県議会に当選し、’93年に衆議院議員として初当選。 ’98年には当時閣僚最年少の37歳で小渕内閣にて郵政大臣に抜擢。08年には内閣府特命担当大臣にも任命されており、その後も選択的夫婦別姓や同性婚に賛成するなど、自民党内ではかなりリベラルなスタンスとして知られている。
また野田氏は不妊治療をしていたことを公表しており、10年には卵子提供を受け体外受精にて妊娠。のち11年に生まれた男児が、生まれながらに心臓疾患を抱えるなど重い障害があることを公表。野田氏自身も子宮の摘出を余儀なくされるなど、妊娠・出産に辛い経験を抱えている。こうした経緯もあってか、野田氏に広い視野を期待する人は多いよう。
「お子さんが障害をお持ちなので、他の政治家と違って苦労されているし、どんな人でも住みやすい街や仕組みを作ってくれそうだから」
「障害児の子どもを待つ母親であり、その子育ての経験を生かして社会福祉の面で力を入れてほしい」
「子供医療に、精通していて、都政を変えてくれそう」
「落ち着きもあるしなんとなく安心感がある 子育てについて大変な経験もしているので 良いかなと」
子育てをしながら仕事を両立させている経験を都政に生かしてほしいという人も多いようで、「地に足がついていそうな雰囲気で、うまく立ち回ることができそうだから」「東京都をいい方向へ導いてくれそうだから」と行動力も求める声が寄せられていた。
続いて2位に選ばれたのが、自民党の高市早苗氏(63)。
80年代末から90年初頭にかけてテレビ朝日やフジテレビでキャスターを務めた後、’93年の衆議院議員総選挙で初当選し政界入り。’06年からの第1次安倍内閣で内閣府特命担当大臣に就任し、’12年には女性として初めて自民党政務調査会長に就任。21年には総裁選に出馬するも、岸田文雄現総理に次ぐ2位となるなど、日本初の女性総理候補としても期待が。現在は岸田内閣にて内閣府特命担当大臣と、経済安全保障担当大臣を担当している。
元衆議院議員の豊田真由子氏に「政策通とよく言われるのは本当で、どんな政策も自分で調べて、腹に落ちるまで勉強する」と評されていた高市氏。実際に、23年11月に国力増強をテーマにした勉強会「『日本のチカラ』研究会」を設立。次期総裁選への足場固めだと批判を浴びるなかでも、高市氏は「総裁選を見据えた動きではない」と主張。今までの「派閥」とは異なり、あくまで高市氏とともに政策を学び、純粋に高市氏の姿勢に共感する仲間を増やしたいという目論見のようだ。この”保守派の希望”とも言われる高市氏に、リーダーシップを期待する声は多いよう。
「的確に話しているし無駄がなさそう」
「有言実行してくれそう、力強い女性のように感じるため」
「議員として、しっかりと仕事をしているイメージがあるため」
「しっかりと正当性がある行政を行なってくれそうだから」
また、阪神タイガースファンを公言しており豪傑なイメージがあるからか、「関西弁でがつんと言ってくれる点がかっこいいから」「とても力のある方で、偽りがないところ」という意見もあった。
そんな2人を抑えて1位に選ばれたのが、田中真紀子氏(80)。
父は第64・65代内閣総理大臣を務めた田中角栄氏(享年75)で、自身は’93年に衆議院選挙に初当選し政界入り。その後1年生議員ながら、村山内閣で科学技術庁長官として初入閣し話題に。01年には小泉内閣にて女性初の外務大臣に就任したものの、事務方との対立を起こし更迭。03年には自民党を離脱し、09年に民主党入り。鳩山内閣や野田内閣で要職を務めていたが、これまでの舌禍が災いし徐々に支持率が低下。’14年の衆議院議員総選挙で落選したのち、事実上の引退という形を取っていた。
しばらく表舞台からは退いていた田中氏だったが、昨年12月に記者会見を突如決行。「皆様聞こえますかこのドラ声が。11年ぶりに永田町の土を踏みました。相変わらず空気がきなくさい」と発言し、政治資金パーティー問題で揺れる岸田政権を批判。その後の会見でも、政治家の金回りについて赤裸々に語ったことで、田中氏に期待する声が再燃している。
「言動に矛盾が無さそうなイメージがあるからです」
「誠実に物事を見ていそうなのと、正論をしっかり伝えられそうだから」
「威勢のいい感じで政治に旋風を巻き起こしてほしいから」
「これまでの会見などで、隠し事なく本音ですべて話していると感じているので」
また、田中氏は本誌が昨年12月に行った「日本初の『女性総理になってほしい』政治家ランキング」でも第2位を獲得している。その手腕を都政に発揮してほしいと思う人は多いようで、「都民の不満を全て解決してくれそうだから」「信念を持って、都政に向き合ってくれると思うから」との声があがっていた。
また、アンケートでは現職の小池氏を推す声もいくつか見られた。過去最大級の盛り上がりを見せている都知事選だが、果たしてその結末は――。