2月8日投開票の衆院選で、自民党が単独で3分の2を超える316議席を獲得するという歴史的な圧勝を遂げたのに対し、大きく議席を減らす結果となったのが野党第一党の中道改革連合だった。
中道は立憲・野田佳彦氏(68)、公明・斉藤鉄夫氏(74)を共同代表に据え、1月16日に結成。「恒久的な食料品消費税ゼロ」「給付付き税額控除」など“生活者ファースト”の看板政策を掲げ衆院選に臨んだ。しかし、結果は公示前から100議席以上を失う大幅後退となり、野党第一党としては戦後最小規模の49議席にとどまった。
この結果を受け、野田氏、斉藤氏の両代表は9日の党役員会で辞意を表明。選挙惨敗の責任を取る形で、結成間もない新党は早くも指導部の刷新を迫られる事態となった。
そうしたなか、中道へ合流せず、独自政党で衆院選を戦うという道を選んだのが、元総務大臣の原口一博氏(66)だった。原口氏は、立憲民主党が公明党と共同で新党を立ち上げる方針を示すと、1月20日に国会内で記者会見を開き、「民主主義の手続きを無視している」として異議を唱え、合流しないことを表明。長年所属してきた立憲民主党を離れ、自身が代表を務める政治団体「ゆうこく連合」の政党化を目指すと発表した。
この会見で原口氏は立憲からは末松義規氏(69)が「ゆうこく連合」に合流すると説明していた。しかし、末松氏は自身のXで《ゆうこく連合に合流するという事実はございません。既に中道改革連合に入党届けを提出し受理されております》との声明を出し、原口氏側に書面で抗議したことを報告。原口氏は当初反論していたものの、結果的に22日にXを更新し、末松氏の秘書から“ゆうこく連合からは出ない”との返答を正式に受け取ったと明かした。
末松氏という“当て”を失った原口氏は同日、Xで《「ゆうこく連合」という変数の入力依頼 ーー 総選挙で「明るく温かい日本」という解を導くために 安野貴博さんへの「数理モデル」作成依頼》と題した1500字超の長文を投稿。これは、「チームみらい」党首・安野貴博氏(35)に対する、こんな“ラブコール”だった。
《私が願い出ているのは、たった一つのことです。 あなたの構築した「チームみらい」という最新のシステムを通して、 この「ゆうこく連合(エネルギー体)」を、総選挙という民主主義のプロセスに「パラメータ」として入力してほしい》
《どうか、私たちを入力してください。 私たちを、チームみらいのシステムに一つのパラメーターとして加えてください》
しかし、この投稿に対し、安野氏からは明確な反応はなかった。すると、原口氏は22日夜のXで、消費減税に慎重な立場を示すチームみらいに関する報道を引用し、《全然、ダメですね。消費税の本質さえわからない人に「数理モデル」を頼んだのかと一夜にして目を覚まされました。連携など取れません》と投稿。一転して、安野氏を突き放したのだ。
態度の急変に批判も出るなか、原口氏は23日の投稿で《安野貴博さんへのお詫び》とし、《消費税減税に慎重なお立場とは、知らず公党に無礼なお願いをしてしまいました。チーム未来の基本理念には、賛同するところばかりですが、財政観、税制についての基本的スタンスが異なります。お願いしておいて本当に申し訳ありません》と謝罪している。
最終的に原口氏は河村たかし氏(77)率いる地域政党「減税日本」と連携して新党「減税日本・ゆうこく連合」を結成。両氏が共同代表に就任し、消費税の在り方の見直しや経済政策の転換、安全保障体制の強化などを掲げて国政に挑んだが、小選挙区で敗北し、比例代表での復活もならず議席を失った。
そんななか、原口氏は12日の朝、自身のYouTubeチャンネルで生配信を行い、今回の衆院選を振り返った。原口氏は自民が立憲の動きを読んで、体制が整う前に解散をしたのではないかと持論を展開。
さらに、高市早苗首相(64)が提唱する「国民会議」に安野氏が参加の意思を示したことを受けてか、「あのメンバーとやるっていうのは、僕はちょっとさすがに無理」と述べつつ、こう言い放った。
「チームみらいの幹事長の(話を)聞いたけど、何をおっしゃってるのか全くわからない。よかった〜、でも。一緒にやらなくて。なんか外から見たとき良さげに見えてたんだけど、全然じゃん」
この発言に対し、一部のXユーザーからこんなツッコミの声が上がっている。
《門前払いされたクセに》
《チームみらいに加入しようとして打診したけど… 調子いいなぁ》
《「あのメンバーとは無理だ」っていうか「原口さんが」断られたんだよね?「30年やって落選するって滅多にない、政府に入る前に分かって良かった」とかく自虐と負け惜しみがすごい》
連携模索から決別、そして敗北へ。原口氏をめぐる一連の動きは、今回の衆院選における野党再編の混乱を象徴する展開となっている。
