■憲法9条は日本にとって有用な“武器”
布施さん、辻元さんがそろって訴えるのが、「国際法違反の戦争に加担することは許されない」という大前提だ。
「今回アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃は、国連憲章で“違法”である可能性が高い。現在、国際社会で“合法”と認められるのは、国連憲章51条に基づく“自衛権の行使”と、国連安全保障理事会の決議によって武力行使が認められる場合のみです。安全保障理事会の決議もなく、イランが攻撃を仕掛けてきたわけでもない。どちらの要件も満たしていません」(布施さん)
スペインやドイツ、フランスなど、多くの国がアメリカに対し「国際法違反の疑いがある」と指摘している。しかし、高市首相は「(イラン攻撃に関する)法的評価は差し控える」と繰り返すのみ……。
「国際法違反を国際法違反とも言えない、そんな対米従属の政府にもかかわらず、この無法な攻撃に日本は関わっていない。これこそが憲法9条の力です」(布施さん)
一方、「今こそ9条改正を警戒しないといけない」と語るのは、神戸女学院大学名誉教授で評論家の内田樹さんだ。
「『外交上の秘密』ということで、高市首相は帰国後の国会でも日米会談の詳細を明かしていません。高市首相は、『今は憲法9条があるから協力できないが、改正してトランプ大統領に貢献したい』という趣旨のことを伝えた可能性も。『これから、改憲に向けた世論づくりを進めます』と、約束をしていても不思議ではありません」
実際、自民党は、3月26日にとりまとめた2026年の「運動方針案」において、「党是として掲げてきた憲法改正を必ずや実現する」と明記している。9条については「自衛隊の明記」を当面の目標としてきたが……。
「自衛隊を明記しないと国民の不利益になるなら、とっくに改正されていたはずです。そして、これを皮切りに、戦力不保持と交戦権否認の実質的な無効化、集団的自衛権のフル解禁などに進む恐れがあります」(布施さん)
これまで、さまざまな戦争に関わってきた米国。同盟関係にある多くの国も巻き込まれてきた。
「アメリカにノーと言えない日本が、戦争に加担せずにすんできたのは、まぎれもなく憲法9条があったからです」(布施さん)
辻元さんも「日本の国益にプラスになってきた憲法9条を手放すのはもったいない」と指摘する。
「日本は、憲法9条を“武器”として、外交や人道支援で世界に貢献する国であるべきです」
憲法9条を盾に、戦争でひとりの自衛官を死なせることもなく、ひとりの他国の兵を殺すこともなく、日本は戦後の国際社会をしたたかに生き抜いてきた。憲法9条という有用な“現実の力”を、党是や悲願などの曖昧な理由で変えようとする非現実的な“お花畑思想”は疑ってかからねばならない。
画像ページ >【写真あり】大好きなX JAPANの曲が演奏され、“絶叫ダンス”で喜びを表す我が国の首相(他2枚)
