斎藤知事の「三号通報ではない」発言は県議会でも問題視されている(写真:共同通信) 画像を見る

「本件については極めて不適切な発言であり、公人としての受忍限度を超えてる面があるという風に受け止めていますので、現在、法的な手続きを進めてるということですね。弁護士の方とも、協議を、相談をしながら法的な手続きを進めてるということです」

 

6月10日の定例会見でこう語ったのは、兵庫県の斎藤元彦知事(48)だ。11日、斎藤知事は発言者の男性を名誉棄損で刑事告訴し、9日付で生田署に受理されていたことが報じられた。

 

ことの発端は1週間前の6月3日に行われた定例会見での出来事だった。「公益通報者保護法違反問題」について、記者から質問を受けた斎藤知事。 “(告発文書を作成した)元県民局長が懲戒処分を受け入れた”と発言したことの根拠を問われて、こう答えたのだ。

 

「もし不服があれば他の人事委員会等の申し出とかできたということですけども、(元県民局長が)結果的にはされなかったということで、懲戒処分を結果として受け入れられたということです」

 

後に、兵庫県が設置した第三者委員会が「違法」と認定した、通報者探しと懲戒処分を経て、元県民局長は「死をもって抗議する」というメッセージを残して自死している。

 

斎藤知事の発言には質問した記者も厳しく反論。記者は、元県民局長が百条委員会に提出した文書のなかで、「後輩たちを訴えることがどんなに辛いか」「不服申し立てをしなくて済む可能性が少しでも残っているのなら、ギリギリまで待ちたい」と記していたことや、不服申し立てができる3カ月の期間内に元県民局長が亡くなったことを指摘。記者は「不服申し立てをしなかったという風に断定するのは、ひどいデマじゃないですか」と再質問した。

 

斎藤知事が「結果として不服申し立てはされなかったということで……」と言いかけたところで割って入ったのが、会見の参加者で、『日本会議の研究 』(扶桑社新書)などで知られる、著述家の菅野完氏(51)だった。

 

「死んだやんけ! 死んだからできひんかったやろ! 人の死を愚弄するな!」

 

斎藤知事が「大きい声を出されますので、あの」と言いかけたところで、菅野氏はさらに「人殺しやないか、お前は!」と言い放ったのだ。これに対して斎藤知事が抗議し、兵庫県政記者クラブの幹事社が「暴言と受け取れる発言があった」と言ったところ、菅野氏は「僕のが暴言やったら、いまの受け答えは暴言ではないんですか? 使用単語だけが問題なんですか?」と反論し、会見から退席した。

 

そして6月10日に行われた会見では菅野氏は“出禁”に。斎藤知事が冒頭で「極めて不適切な発言があったということは極めて遺憾」「人の心を傷つける誹謗中傷などは行わないということが大事」などと、およそ2分間にわたり苦言を呈して、質疑応答が始まった。

 

会見では、第三者委員会が告発文書を公益通報者保護法で保護される三号通報(外部通報)と認定しているにも関わらず、6月8日の県議会で斎藤知事が「三号通報ではない」と初めて断言したことに質問が集中。

 

斎藤知事は「第三者委員会の指摘は真摯に受け止める」としたものの、「真実相当性が確認できなかった」ことなどを理由に、「三号通報ではない」という見解を繰り返した。公益通報者保護法を所管する消費者庁の見解では「真実相当性は三号通報かどうかの要件には入っていない」と指摘されても、同様の見解を繰り返すだけだった。

 

さらに、“元県民局長が懲戒処分を受け入れた”という自身の認識についても、前週と同様に「不服申し立てがなかった」と繰り返した。

 

冒頭の発言が飛び出したのは、会見の最後、作家の赤澤竜也氏(62)の質問を受けてのことだった。これまで、自身の見解が、百条委員会や第三者委員会の認定と異なっていることを指摘されても、「最終的には司法の場で判断されること」と繰り返してきた斎藤知事。それに対して赤澤氏はこう指摘した。

 

「知事は常日頃、最終的に司法の場で決着がつく問題だとおっしゃいました。何を問われても最終的には司法の場とおっしゃる知事は、当然、菅野君を名誉毀損で訴えられますよね」

 

すると、斎藤知事は冒頭のように、「法的な手続きを進めている」と答えたのだ。そして、翌11日、斎藤知事が菅野氏を名誉棄損で刑事告訴したことが報じられた。

 

斎藤知事に対する「人殺し」発言を司法がどう判断するのか、結論を待ちたい。

画像ページ >【写真あり】「変ですよ」“不自然”の指摘が殺到した斎藤氏の全身写真(他2枚)

出典元:

WEB女性自身

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