斎藤知事の「三号通報ではない」発言は県議会でも問題視されている(写真:共同通信) 画像を見る

「人殺しやないか、お前は!」

 

こんな“暴言”が飛び出したのは、斎藤元彦・兵庫県知事(48)の定例会見の場だった。発言の主は、フリー記者として会見に参加していた著述家の菅野完(たもつ)氏。一連の発言について、斎藤知事は6月10日の会見で「公人としての受忍限度を超えている面がある」として、菅野氏を名誉棄損罪で刑事告訴したことを明らかにした。

 

「発言は、6月3日の定例会見でのものです。斎藤知事への告発文書を作成し、後に『死をもって抗議する』というメッセージを残して自死した元県民局長が『懲戒処分を受け入れた』という斎藤知事の発言について『しんぶん赤旗』の記者が質問していたときのことでした。斎藤知事が『もし不服があれば、ほかの人事委員会等の申し出とかできたということですけども、(元県民局長が)結果的にはされなかったということで、懲戒処分を結果として受け入れられたということです』と答えると、菅野氏が突然、大声で割って入ったのです」(全国紙記者)

 

菅野氏は「死んだやんけ! 死んだからできひんかったやろ! 人の死を愚弄するな!」と大声をあげ、さらに「人殺しやないか、お前は!」などと続けた。会見を仕切る兵庫県政記者クラブの幹事社が「暴言と受け取れる発言があった」と注意すると、菅野氏は「僕のが暴言やったら、いまの受け答えは暴言ではないんですか? 使用単語だけが問題なんですか?」と反論し、そのまま会見場から退席した。

 

結果として刑事告訴を受け、その後の会見も「出禁」となった菅野氏は、どんな心境なのか。本誌の取材に、菅野氏本人が答えた。

 

――刑事告訴されたことについて、言い分は。

 

「刑事告訴されたことそのものに対する言い分はないですね。そもそも、刑事告訴するもしないも向こうさんの自由ですし、不当な発言だったとも思っていません。ただ、権力者のくせに、いち物書き相手に刑事で訴えるとは、その恥ずかしさがわからないわけですから、本当に教養のない人なんだなと思います」

 

――刑事告訴の元になった「人殺しやないか」などの発言について、記者クラブも「暴言と受け取れる」と言っています。

 

「もし僕の言葉が暴言だというのであれば、斎藤さんの記者会見での発言も暴言です。『人殺し』という言葉が、相手の名誉を傷つけ、相手の尊厳を傷つけるというのであれば、あの日の記者会見での斎藤さんの発言こそ、亡くなられた県民局長の尊厳とご遺族の気持ちを踏みにじる、最大級の暴言だと思いますね」

 

――後悔はしていない?

 

「そもそも、発言が不穏当だったと思っていませんから。たとえは悪いかもしれませんが、電車で痴漢をみつけたけど、みんな黙っている。そこで僕が『やめろよ!』と大声で言ったら『電車内で大声を出すな』と怒られたような気分です。刑事告訴されても、自分の発言を翻すつもりはありません」

 

と、徹底抗戦の姿勢だ。実際、政治担当記者は、菅野氏の発言以上に斎藤知事の「懲戒処分を受け入れた」という発言が、波紋を呼んでいると明かす。

 

「斎藤知事が提出した自らの給料削減案が、11日に4回目の継続審査となったんです。これは、亡くなった元県民局長の私的情報が漏洩した点をめぐり、管理責任を取るというのが理由でした。この削減案が通ってしまうと“幕引き”になってしまうことから、一部議員は反対していました。とはいえ、最大会派の自民党は賛成する予定だったんです」

 

ところが、斎藤知事の発言によって自民党の判断は覆ることになった。

 

「要するに『あまりにも元県民局長への配慮がない』ということです。元県民局長は、懲戒処分について即座に不服申し立てをしていないことについて『自分は人事課のOBです。後輩たちを訴えることがどんなにつらいことかご理解いただきたい』と、百条委員会に答えています。要するに、処分そのものには不服だったと察することができる証言です。これを知っていながら、斎藤知事は『受け入れた』としているわけですから、県庁職員への感情の逆なでもいいところです。その結果、『反省の色なし』として、給料削減案は見送られました」(同前)

 

まだまだ兵庫県政の混乱は続きそうだ。

 

「県の第三者委員会は、元県民局長の“告発文書”について『外部公益通報にあたる』と認定しています。しかし斎藤知事はいまだに『公益通報にはあたらない』と県議会で発言し、根底の認識が違うままです。この齟齬を残したままでは、何も前に進まないのは当然のことです」(同前)

 

この混乱に対して兵庫県民はどこまで“受忍”できるのか。

 

画像ページ >【写真あり】尼崎商店街の練り歩きで囲まれる斎藤知事(他4枚)

出典元:

WEB女性自身

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