■「疲れた顔は見せたくない」一期一会を大切にして
インタビュー中、印象的だったのは彼女の笑顔だ。政治家になる前から、「笑うことは免疫力を上げる。作り笑いでも、口角を上げるだけでもいいんです」と、北海道から沖縄まで約100回の講演で、患者や家族に伝えてきたメッセージだ。
「疲れた顔は見せたくない。お会いする方は、その瞬間の私を見てくださっているのですから。私がいま元気でいられるのはそうやって、笑顔でいようと心がけてきたからかもしれません」
そんななか、唯一疲れた顔を見せられるのは家族だ。がん闘病時、義父も悪性リンパ腫を患い、重なった苦しみを家族だけで静かに分かち合った。
参議院議員として2期目を目指す生稲さん。
「まだまだ勉強不足で学ぶことだらけ」と謙虚だが、努力義務になった、がん患者の治療と仕事の両立支援の充実と、高濃度乳房の全国一律の通知の一刻も早い実施に全力で取り組んでいる。
「通知が実現されることで、日本に住む多くの女性が救われるはず。自分の経験が少しでも役立てればと思っているのです」
政治家らしく抱負を語る生稲さんだが……。じつは、本誌は2015年に乳がんを公表したとき、取材をしている。
そのとき、互いの娘の話で盛り上がった本誌記者が、「11年が経って、お嬢さんも大きくなられたんでしょうね」と話を振ると、
「じつは娘は二十歳になって、今年、成人式だったんです」
母の顔でそう目を細めた生稲さん。参議院議員として、全国の母娘の権利を守っていく。
【PROFILE】
生稲晃子
タレント・女優として活躍していた43歳で乳がんを告知され、計5回の手術を受けた。’22年の参議院議員選挙で自民党から出馬し初当選
(取材・文:本荘その子)
画像ページ >【写真あり】国会で質問をする生稲議員(他1枚)
