■「整形したい」の裏に、固定観念が隠れていることも
では、女子高校生へのヒアリングでは、外見をめぐってどのような悩みが語られたのだろうか。
「『マスクを外すのがつらい』と話した高校1年生がいました。中学3年間はコロナ禍で、マスクで過ごしていたからです。素顔を見られること自体に大きなハードルを感じていました。こうした時代背景も、ルッキズムへの意識をより強めているのかもしれません」(前川さん)
共著者で2児の母でもあるウィルソン麻菜さん(36)は、若い世代に人気の「加工アプリ」の影響も指摘する。
「友人と撮った写真を『(勝手に)目を大きく加工されていた』と話す高校生がいました。友人は良かれと思って加工したのかもしれませんが、本人は複雑な気持ちになったそう。加工するか、SNSに投稿するかなど、今は相手との対話や同意が必要になっており、そうした認識のずれもルッキズムにつながっているのでは」
身近になった整形や美容医療も、外見への意識を高めるきっかけになりがちだ。もし、自分の子供が整形したいと言い出したら、どうすればよいのだろうか。
「本人が悩んだ末に『自分にとって必要』と考えた場合、頭ごなしに否定する必要はないのでは。一方で、『友達がしたから』『誰かに言われたから』という理由なら、どうしてそう思うのか対話が必要でしょう」(前川さん、以下同)
会話の先には、広告の影響や、「仲間外れにされたくない」という友人関係の悩み、「胸が小さいと女性らしくない」などの性別への固定観念が隠されていることも多いという。
「日本ではとくに『若く見えること』が誉め言葉として使われます。『バブみ顔』『赤ちゃん顔』など、幼くてかわいい雰囲気を求める流行にも表れているように、“若さ”が褒め言葉や武器として扱われています。ですから、若さを求める気持ちは、ただの社会の価値観の押しつけかもしれません」
