■「一線を越えている」相次ぐ批判に動画の配信元が示した見解
自らの調査や研究をもとに、“広島に投下されたのは原子爆弾ではなかった”と主張した林氏。だが、動画のコメント欄では、《死者への冒涜。被爆者への冒涜》《これはさすがに被爆者をバカにしていてひどい内容です》と批判の声が相次ぐことに(以下、カッコ内はすべて原文ママ)。
さらに林氏の主張だけでなく、動画を配信した「NoBorder」の責任を問う次のような声も。
《エンタメだからとか、判断は視聴者だとか、寝ぼけた事言うてんちゃうぞ!やってええ事とあかん事の区別もつかんのか?》
《この番組は、日本中の国民を、敵にする積りですか?この動画の配信は、許しませんよ》
《よく企画が通ったと思うし、関係者の誰一人として強くstopをかけなかったのが理解不能。編集している最中「この動画一線越えてる」って気づくはず》
また、動画序盤のテロップでは《1945年8月 6日広島 10日長崎》と表示されていたことから、《長崎は9日です》《長崎は9日じゃないか!おかしいだろう!》と長崎原爆投下の日付が誤っていることを指摘する声もあった。
いっぽう林氏は8日にXで、NHKが報じた原爆の偽情報に関する記事を取り上げ、《ついにNHKが真実の広がりを恐れ、取り上げました! 言論統制ぶりは、お注射の場合と同じ!!》と皮肉交じりに反論していた。
波紋が広がる動画だが、配信元である「NoBorder」は世間からの厳しい批判をどう受け止めているだろうか?そこで本誌が10日に同社を取材すると、15日夜に担当者から文書で回答が寄せられた(以下、カッコ内は全て担当者)。
まず、当該動画の内容が“偽情報ではないか”と指摘する声に対しては、「当該動画で話されている内容は出演者の見解であり、弊社が報道として事実認定したものではありません」とのこと。
林氏の“原子爆弾はフェイク”という主張に対しても、「当該動画における主張は出演者の見解であり、弊社の見解ではありません」との回答があった。
いっぽう、当該動画の修正や削除などの予定について尋ねると、「言論の自由の観点から、『NoBorder X File』の当該動画を削除する予定はございません」との説明があった。
なお、担当者によれば、同社が運営を手掛ける3つのYouTubeチャンネル『NoBorder News』、『NoBorder』、『NoBorder X File』は、それぞれ位置付けが異なるという。
まず、『NoBorder News』は、「世界的な報道規範『ジャーナリズム5原則』に基づいて運営する報道番組です」とのこと。次に『NoBorder』は、「討論番組です。異なる立場の出演者がそれぞれの見解を述べる番組であり、発言は各出演者の見解です」と説明。そして今回注目を集めた『NoBorder X File』については、「世に流通している言説や過去の未解決事件などを取り上げる番組であり、報道番組ではありません。発言は各出演者の見解です」とのことだった。
その上で、「弊社は、性質の異なるこれらの番組を併せて運営することで、多様な言論空間を提供することを目的としております。また今後、報道番組『NoBorder News』において、『NoBorder X File』で扱われた内容を事実ベースで検証する可能性があります」との説明があった。
