9月16日から18日にかけておこなわれるとみられる、高市早苗首相(自民党総裁)による内閣改造と自民党役員人事。注目点は、萩生田光一幹事長代行の処遇だろう。
「高市政権発足時の2025年10月、時事通信がおこなった世論調査で、派閥裏金事件にかかわった国会議員を政府や党の要職に起用することについて、71.4%が『反対』の回答をしました。それでも高市首相は、萩生田氏を『傷もの』と表現しながら幹事長代行に強行起用し、公明党との連立解消につながる一因になりました。
その調査から10カ月、8月22日と23日に共同通信社がおこなった世論調査では、派閥裏金問題で処分を受けた議員を政府や党の重要ポストに起用することに『反対』する回答が73.8%にもなり、『裏金議員は許さない』という世論の声はいまなお、強いものがあることをうかがわせました。萩生田氏の手腕を高く評価している高市首相ですが、こうした結果もあり、主要ポストへの起用についてはためらっているようです」(政治担当記者)
政治アナリストの伊藤惇夫氏も、萩生田氏起用について「(人事の)結果がどうなるかわかりませんが」と前置きしたうえで、主要ポストへの起用を難しくさせる2つの理由をあげた。
「1つめは、金融財政政策などの経済問題です。いま、高市首相はアメリカのスコット・ベッセント財務長官からは、積極財政政策などを終了するよう、最後通牒を突きつけられています。アメリカのご機嫌取りのような外交をやってきた高市首相ですから、この圧力には逆らえず、いまや頭のなかはこの問題でいっぱいでしょう」
萩生田氏は、米国が指摘する「積極財政政策」を率先して推進してきた立場だ。そのため、米国との兼ね合いで彼を登用することが難しくなるのではないか、というのだ。伊藤氏が続ける。
「しかも、世論調査での政権支持率が高いとはいえ、実際には党内基盤は盤石とはいえません。(党内からも反発がある)萩生田氏の起用という、思い切った“高市流人事”はできないのです。
2つめは、福岡県議会の議長、副議長就任に絡む『カツアゲ疑惑』により、政治とカネの問題に世間の批判が再び集まったことです。高市首相は、2027年4月に予定されている統一地方選で、福岡県議選候補者に公認を出さないという考えを持っているようですが、その一方で、裏金問題で処分を受けた萩生田氏を重用すれば、国民から批判されるのは分かりきったことです」
高市首相は9月7日、首相官邸で自民党の鈴木俊一幹事長と「人事の段取りについて」(鈴木幹事長)およそ20分会談したが、それに先立ち、木原稔官房長官、小林鷹之政調会長、萩生田幹事長代行と1時間ほど「党の組織をどう強化していくかについて」(小林政調会長)意見交換をしたという。
過去、人事でつまずいた首相は少なくない。一部には萩生田氏を幹事長代行で留任させるという情報もあるが、高市首相の決断はどうなるのか。
