《年間約50人が祖国を捨て――》海外で保護を求める「日本人難民」の知られざる現実
画像を見る 性的マイノリティへの差別などで日本を出る人もいる(写真:chachacha/PIXTA)

 

■欧米と日本の「難民定義」に横たわる絶望的な溝

 

ではなぜ、日本では救われない人々が海外で難民として認められるのか。そこには、難民条約の「解釈」をめぐる欧米と日本の巨大なギャップが存在する。

 

「日本も欧米も、1951年の難民条約に基づいた共通の定義を用いています。しかし、日本の出入国在留管理庁や司法の実務者は、『国家権力による直接的な政治的迫害』という極めて狭い解釈に固執し続けてきました。

 

これに対し、欧米諸国では『非国家主体(家族や社会など)による害悪』であっても、母国政府がそれを防ぐ意思や能力を欠いている場合、難民として保護対象にする解釈が定着。DVや性的指向による差別も『特定の社会的集団』に対する迫害として正当に認定されるのです。

 

同じ条約の条文を使っているにもかかわらず、日本の解釈はあまりにかけ離れている。これでは同じ条約を守っているとは言えません」

 

さらに深刻なのは、行政の過ちを正すべき司法の不全だ。児玉弁護士によれば、日本の裁判官は国際基準の知識や人権意識を深める機会が乏しく、行政(入管)の判断を追認するだけの「追認機関」と化しているケースが多いという。

 

「海外の文献や判例を提示しても、裁判官の“島国根性”とも言える意識が壁となり、国際人権基準が無視されてしまう。司法が社会の意識改革から10年、20年遅れているのが日本の現実です」

 

次ページ >「排外主義」と「不寛容」が自国民を追い詰める

出典元:

WEB女性自身

【関連画像】

関連カテゴリー:
関連タグ: