■ 平成の「忖度」と官僚の責任回避
時代が下り、インフラがある程度整備されると、利益誘導の形も変化していく。大規模な開発から、細かな道路や橋の整備などへと予算の奪い合いのステージが移ったのだ。
ここで強く働くようになったのが、官僚から政治家への「忖度」である。有馬氏は、政治家と官僚の力学について次のように解説する。
「官僚は試験に受かった優秀なエリートですが、政治家は選挙で国民から選ばれた『権力者』。官僚が予算配分のプランニングをしても、政治家に反対されれば覆されてしまいます。
また、各地方自治体から上がってくる細かな陳情に対して、霞が関の官僚は現地の事情をすべて把握しているわけではありません。そのため、『この予算配分でどうでしょうか』と地元の実力者である政治家に相談し、お墨付きをもらうことで責任を回避しようとするのです。
官僚が政治家の意向を先回りして察知し、予算配分に反映させる──これが平成に入って定着した『忖度』です」
さらに、表には出ないものの「大臣枠」といった裁量予算も存在し、有力政治家やその親しい陣営に予算が厚く配分される構造は今も根強く残っているという。
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